【せぐなべ運営からのご案内】
新しいパスワード管理アプリレビュー記事を公開しました。アプリ選択のポイントと、8件のアプリの紹介を掲載しております。ぜひこちらの最新記事もご覧ください。
はじめまして。iPhone&ゲーム系ライターの川村和弘です。普段は、iPhoneのアプリをはじめ、ガジェットから玩具、ドローンなどのレビュー記事を書いています。このたび「せぐなべ」の中の人と知り合いだったので、依頼を受けてスマホ用パスワード管理アプリの比較レビュー記事を書かせていただきました。
たくさんのサービスを使う今、課題は「パスワード管理」
スマホのメールやSNS、各種アプリや会員サイトなど、読者の方々もそれらのサービスをいくつも利用しているかと思います。それらを使うとき、必要となるのがアカウント(ID)とパスワード。これらを入力して利用者の認証を行うのですが、サービスごとにアカウントとパスワードが必要となります。いまや10や20のサービスを使うのは当たり前で、多い方になると100以上となる方もいるでしょう。利用するサービスが増えるにつれて、アカウントやパスワードをいちいち覚えるのが大変となり、使い回している方もいるかと思います。
そうなると怖いのがアカウントやパスワードの流出です。使い回している場合、ひとつが流出してしまうと、ほかのサービスでも乗っ取られてしまう可能性が高くなります。このような被害に遭わないためにもサービスごとにパスワードを変えて使い分けていく必要があるのですが、そうした場合、バラバラのアカウントとパスワードを覚えておく管理負担が発生します。
いつも持ってるスマホでパスワードを管理しよう
今でもパスワード管理にPCのメモ帳やExcelを使ったり、アナログ的に手帳に記入している人もいるかと思います。そんな方々にお勧めしたいのが、複数のアカウント・パスワードを一括管理できるスマホ用パスワード管理アプリです。スマホの所持が当たり前の今だから、パスワードもスマホに覚えさせてしまおうというわけです。
各パスワードを覚えさせられるのはもちろんのこと、複雑なパスワードを自動生成してハッキングされにくくしたり、面倒なパスワード入力を自動的に行える機能が搭載されたものまであります。
そんなパスワード管理アプリが、各社(または個人)から提供されており、使い勝手や利用料金もさまざまです。そこでこの記事では、私とせぐなべ運営で選んだ5つのパスワード管理アプリについて紹介していきます。
それぞれのニーズに合ったツールを見つける参考になればと思います。
【せぐなべ運営からのご注意】
当レビュー記事は、各アプリの機能や使い勝手についてご執筆いただきました。各アプリにおける登録データの保存方法や通信方法など、セキュリティに関してはレビューしておりません。各アプリのご利用は、各自の責任においてご利用ください。
【今回紹介しているアプリ】
>1Password
>LastPass
>PasswordManager
>PassManager
>パスクリップ
【1Password】
パスワード管理アプリの老舗『1Password』は、
多機能でPC版との同期が可能

1Password
パスワード管理ツールとして定評が高く、最も有名なのは、この『1Password』ではないでしょうか。スマホ用アプリのほか、PC用として、Windows版やMac版が単体ソフトとして用意されています。しかも、それぞれのデバイス間で同期して使えるため、PCとスマホの両方で同じサービスを利用する人にとっては便利です。
さらにサービスへのログインやメールのなどのアカウントとパスワードの管理だけではなく、クレジットカードの情報やパスポート、ソフトのライセンスなど、さまざまな個人情報を一括管理できます。それらの各情報をジャンルごとに整理できるほか、入力項目もそれぞれに応じたフォーマットになっています。
GoogleやDropbox、Facebookなど有名なサービスには専用の入力フォーマットが用意されているため入力も簡単。しかしながら本アプリは海外製のため、LINEなど日本向け有名サービスの入力フォーマットが用意されていません。
また、アプリ内での説明文の公式サイトに英語表記のままになっている部分があり、分かり難かったりするので、その点で使いにくさを感じる方がいるかも知れません。ちなみにフォーマットが用意されていないサービスであっても、自分で管理項目を追加して使うことができます。
本アプリを最初に使うときにマスターパスワードを設定します。そして、利用するたびにマスターパスワードを入力することでアプリを起動するようになっています。このマスターパスワードをきちんと作成し、管理しておく必要があります。
使い方も簡単で、アプリ内で登録したサービスなどのパスワードを参照やコピーができるほか、アプリから各サービスに直接アクセスでき、ログイン時にオートでアカウントとパスワードが入力されます。
老舗アプリだけあって見やすく使いやすくなっています。PCなどを主に使っている方なら、パソコンで各種情報を入力し、スマホで情報を参照できるのでその点においては快適に使えるかと思います。


iCloudやDropboxも利用して、複数のデバイスで情報の同期が可能。
アカウントの管理はカテゴライズされ、アイコンで一目で見分けられる


利用にあたっては、アカウントやマスターパスワードを入力し、登録


サービスカテゴリが揃っており、主要サービスには入力フォーマットも用意


クレジットカードなど、あらゆるの個人情報を一元管理
【アプリ名】
iOS:『1Password』
Android:『1Password – Password Manager』
【公式サイト】
https://1password.com/
【iOSアプリ】
https://itunes.apple.com/jp/app/id568903335
【Androidアプリ】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.agilebits.onepassword&hl=ja
【価格】
基本無料
【提供元】
AgileBits
【LastPass】
クラウドでアカウント情報を一元管理する『LastPass』
フォーム入力も快適

LastPass
『1Password』と並んで、パスワード管理アプリとして有名なものに『LastPass』があります。こちらは、アカウントとパスワードデータをクラウド上で一元管理するタイプになっています。はじめに『LastPass』のアカウントを作成してユーザ登録が必要です。その際にマスターパスワードを設定します。
あとは、各サービスのアカウントとパスワードを登録していきます。サービスのカテゴリごとにフォルダ分けして整理も可能です。また、サービスのアカウント以外にも、銀行口座やメールアカウント、ソフトウェアライセンスなどの各種情報も管理できます。さらにプレゼントキャンペーンに応募する時など、応募フォームに名前や住所などをいちいち入力していると思いますが、これら個人情報も登録しておけば、各情報を簡単にコピーして入力できるようになるので便利です。他にも自動ログイン、パスワードの自動生成などの機能も実装されています。
また、本アプリでは、全てのデータをクラウドで一元管理しているので、PCやスマホなど複数のデバイスでデータを同期させることも可能です。ただし、この機能を利用するには、有料版にアップグレードする必要があります。
こちらも老舗のアプリと言うこともあって、多機能でありながら使いやすくなっています。有料にはなりますがパスワードを一元管理して複数のデバイスで確認したい方には最適なツールです。


サイトやメモ、フォーム記入のタブが用意されており、種類ごとに管理


主要サービスのフォーマットも用意。
用意されていないサービスもフォルダ分けして登録可能


さまざまなノートが用意されていて、サービス以外の個人情報も登録可能。
コピーして使えるため、入力が簡単に


登録したものを長押しするとメニューが現れる仕組み。他にもサービスが充実
【アプリ名】
iOS:『LastPass Password Manager』
Android:『LastPass Password Manager』
【公式サイト】
https://www.lastpass.com/ja
【iOSアプリ】
https://itunes.apple.com/jp/app/id324613447
【Androidアプリ】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.lastpass.lpandroid&hl=ja
【価格】
基本無料
【提供元】
LogMeIn
【PasswordManager】
ウイルス対策ソフトで有名な会社が手がける
日本仕様のパスワード管理アプリ『PasswordManager』

PasswordManager
『PasswordManager』は、総合セキュリティ対策ソフト『ウイルスバスター』の開発・販売で有名な会社「トレンドマイクロ」が開発したパスワード管理アプリです。アカウント・パスワードの管理はもちろんのこと、自分の個人情報やクレジットカードの情報、マイナンバーなどの情報まで登録して管理しておけます。
さらにマスターパスワード、パスワードの生成、登録したウェブサイトへの自動ログインなど、ひと通りの機能は搭載されています。マルチデバイスにも対応しており、登録したパスワード情報はマスターパスワードによって暗号化された上でトレンドマイクロのクラウドに保存され、PC(WindowsやMac)や、スマホ(Android、iOS)などの端末から取り出せます。
また、日本向けに作られているだけあって、「LINE」や「楽天市場」、「Ameba」など、日本の主要サービスのアカウント・パスワードが登録しやすいように専用の入力フォーマットが用意されています。さらに使い方の説明も日本語でわかりやすくなっています。
とにかく、日本向けにきめ細かく使いやすく作られていますし、セキュリティ対策ソフトの会社が作っているだけあって安心できます。パスワード管理アプリを使ってみようと思っている初心者にはオススメです。


セキュリティ対策ソフト会社が開発。一部の機能は無料のお試し版では使用不可


『LINE』や『楽天市場』など、日本向けサービスの入力フォーマットも用意


個人情報を登録したり、サイトにログインするとパスワードを自動保存する機能も用意


使い方の説明も日本語でわかりやすい。初心者でも簡単に使える
【アプリ名】
iOS:『パスワードマネージャー:パスワード管理アプリ』
Android:『パスワードマネージャー:パスワード管理/セキュリティ』
【公式サイト】
http://safe.trendmicro.jp/purchase/pm.aspx
【iOSアプリ】
https://itunes.apple.com/jp/app/id598904988
※iOS版は、AppStoreからの配信停止中(2018年9月13日追記)
【Androidアプリ】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.trendmicro.directpass.phone.jp&hl=ja
【価格】
基本無料
【提供元】
Trend Micro Incorporated
【PassManager】
シンプルで使い勝手の良い日本製パスワード管理アプリ
『PassManager』

PassManager
『PassManager』は、iPhone用のパスワード管理アプリ。ウェブやアプリなど、各種アカウントやIDを簡単に登録でき、アカウント・パスワードのコピーも素早く行えます。さらに通知センターからアカウント・パスワードのコピーもできるようにもなっています。
シンプルでわかりやすい画面構成ですが、カテゴリ分けや並び替え、お気に入り登録も可能です。本アプリの一部機能には、回数制限などもあるものの、基本的な機能は、無料で利用できます。自動ログインやパスワードの自動作成、BASIC認証へのログインなどは、課金による追加機能として用意されています。
アプリ起動時には、4ケタの数字のPINコードや指紋認証による認証を行いますが、オプションでオフにすることも可能です。CSVファイルへのパスワードデータのエクスポートやiCloudによるパスワードデータのバックアップも用意されています。
開発は日本人による個人開発で、今のところ頻繁に機能の追加や更新が行われています。
とにかく使い勝手が良く、初心者でも使いこなせるのでパスワードの管理をiPhoneで始めてみようと思った方には、特にオススメです。


シンプルながら、ひと通りの機能を搭載。しかも使いやすい


パスワード登録も簡単。アカウントやパスワードのコピーはワンタップで可能


課金すると機能が追加される。通知センターからのコピーは他にはない機能
【アプリ名】
iOS:『指紋認証で簡単パスワード管理 PassManager (パスマネージャー)』
【iOSアプリ】
https://itunes.apple.com/jp/app/id938502760
【価格】
基本無料
【提供元】
YOSUKE NAKAYAMA
【パスクリップ】
パスワードや暗証番号をパターンひとつでまとめて覚える
新感覚アプリ『パスクリップ』

PassClip
パスワード管理アプリの中でも一風変わったデザインと画期的なシステムを取り入れたのが『パスクリップ』です。パスワードの確認画面が5×5のマス目状になっており、その中の25個の中にランダムな文字列が並んで表示されます。そして、この中からあらかじめ決めておいた4つのマス順に文字をつないだものが「パスワード」になるという仕組みです。もし誰かにパスワードの確認画面を見られたとしても、文字を抜き出すマスの位置と順番(パターン)を知らなければ、パスワードを判別することはできません。そのおかげで、アプリ起動時にマスターパスワードを入力しなくても大丈夫なのです。
本アプリは、自動ログインの機能などは未実装で機能的に乏しい部分がありますが、スマホやPC以外で使用する、キャッシュカードやクレジットカードやマイナンバーカードの暗証番号を確認する際に重宝すると思います。これらのカードの場合、暗証番号をそれぞれ別のものにしていると、普段から使用するもの以外は忘れたり間違えたりしそうなため、同じ番号を使い回している方も多いかと思います。そうなると、カードを盗まれたり、失くしたりして、暗証番号が流出した際に、すべてのサービスに被害が広がる可能性があります。本アプリを使えば、スマホで瞬時に画面を見て暗証番号の確認ができるので、別々の番号にして盗難・紛失の危険性を分散することができます。


これまでとは違うタイプのアプリ。ひとつだけ「パターン」を設定して覚えておく仕組み


パターンは、マスの位置と順番を4つ決めて設定する。
パターンに沿ってマスの中の文字を繫げるとパスワードになる。
上の写真の場合、「01」→「ab」→「cd」→「ef」となり、パスワードは「01abcdef」
ダミーの文字が表示されるため、パターンを知らない人が見ても
パスワードがわからない。4桁の暗証番号のチェックに便利


お試し版では5つのパスワードが登録可能。無料会員登録で登録枠が増える
【アプリ名】
iOS:『PassClip パスクリップ-2タップだけでパスワード表示』
Android:『パスクリップ / PassClip』
【公式サイト】
https://www.passclip.com/ja/
【iOSアプリ】
https://itunes.apple.com/jp/app/id907411142
【Androidアプリ】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.passlogy.passclip&hl=ja
【価格】
無料
【提供元】
パスロジ
まとめ - 用途に合わせて使い分けるのもアリ?
今回5つのパスワード管理アプリを紹介しましたが、それぞれ一長一短があり、使い勝手も異なっています。どれかひとつを選んで使うというのも良いのですが、いくつか用途にあわせて使い分けるのもひとつの手です。PCとスマホでパスワードを総合的に管理するものを『1Password』か『LastPass』、『PasswordManager』の中からどれかにして、同期させながら使っていきます。そして、ネットやアプリ以外でも使用するパスワードや暗証番号などの管理を『パスクリップ』で行うようにすれば、ATMなどの公共の場でスマホを取り出して確認しても周囲に知られることなく使えるので安心です。また、お手軽にスマホだけでパスワード管理を行いたい場合は『PassManager』を活用するのも良いかと思います。
今回紹介したパスワード管理アプリは、どれも無料で試すことが可能ですので、実際に試してみるといいでしょう。
【著者プロフィール】
IT・スマホ・GAME系のフリーライター 川村和弘
新しモノ好きで、元ゲーム雑誌の編集者。現在は、iPhone関連の情報メディアなどで編集・ライターとして活躍しながら、モバイルプロジェクターの販売も手がけています!