「テレワーク・デイズ」とは

いよいよ2018年7月23日(月)~7月27日(金)の5日間で、「テレワーク・デイズ」が実施されます!

2020年7月に東京オリンピックの開催が決定しました。
海外や全国各地から大勢の観光客が訪れると言われていますが、それと同時に懸念されているのが、混雑による首都圏の交通機関の麻痺です。
そこで、混雑緩和のために首都圏近郊での通勤を抑えるよう、2017年から各政府機関の主導で、テレワークの推進キャンペーン「テレワーク・デイズ」が行われています。(7月24日はオリンピック開会式の日)2018年「テレワーク・デイズ」公式バナー(クリックでオフィシャルサイトへリンクします)

2017年はテレワーク・デイ(7月24日)、2018年はテレワーク・デイズ(「7月24日を含めた計2日間以上)、と少しずつ期間が長くなっています。
おそらく2019年はテレワーク・ウィークになるのではないでしょうか??

ちなみに、2018年6月には、東京オリンピックの開会式を含む前後4日間は連休になる法案が可決されたため、2020年7月24日(金)は休日になります。
とはいえ、オリンピックは2週間以上開催されますし、期間中の首都圏は混雑が予想されますから、今のうちにテレワークを導入し、慣れておいても損はないでしょう。

 

改めておさらい!「テレワーク」とは?
テレワークとは、情報通信技術を活用し、場所や時間に捉われず柔軟に働くこと。
働き方は下記の3つに分けられる。
在宅勤務(自宅からパソコンとインターネット、電話、ファクスを利用)
モバイルワーク(顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話を利用)
サテライトオフィス(勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用)
参考:一般社団法人日本テレワーク協会

パスロジ流テレワークは…まさかのオフィス完全閉鎖!?

パスロジは、認証セキュリティシステムを開発・販売しているメーカーです。
以前から箱根にサテライトオフィスを設置しているほか、傷病時や育児・介護が必要な際はリモートワークができるなど、社員の事情に合わせた勤務が可能です。

以前もギックリ腰の社員が、椅子に座れないため自宅勤務をしています。
>【参考記事】パスロジ流テレワーク大紹介!~テレワークの落とし穴!?セキュリティ対策、考えていますか~

パスロジ流テレワーク大紹介!~テレワークの落とし穴!?セキュリティ対策、考えていますか~

しかし、社員が個々の事情で自宅勤務をしたことはあっても、全員が足並みを揃えて一斉にテレワークをしたことはありませんでした。

そこで、パスロジはテレワーク・デイズを契機として、予期せぬパンデミックや災害時にも対応できるよう、7月23日(月)~7月27日(金)まで誰も会社に出社しない『オフィス完全無人のテレワーク』にチャレンジします!

>【プレスリリース】パスロジ、2018年「テレワーク・デイズ」へ参加
パンデミックや災害対応を想定した 「オフィスを完全封鎖!1週間ロックアウト」を実施

オフィスロックアウトが決まった後、2018年パスロジ流テレワーク・ルールが社長から社内に告知されました。今まで柔軟な働き方に対応してきたパスロジですが、さすがに社員全員が出社しないのは初めてです…!
リモートデスクトップの端末はどうするのか?
お客様からの電話や郵便物の対応は?
そもそも何から準備をすればいいのか?
…と社内はてんやわんや。

果たしてパスロジは、無事にテレワーク・デイズに参加できるのでしょうか…!?

パスロジ社内のチーム編成

パスロジ株式会社は経営陣を除いて、営業、マーケティング、技術、総務の4つの部署(社内ではチームと呼んでいます)に分かれています。

まずは各チームで、テレワークチームリーダーを選出し、リモートデスクトップ接続テスト、業務内容の洗い出し、Web会議のテストなどをチーム単位で検証を行います。
また、定期的にリーダーでテレワークMTGを開き、問題の共有と、対策を考えました。

テレワークの検証作業を進めるうちに、徐々にテレワークに向いている/向いてないチームが浮き彫りに…

それでは早速、チームごとの業務内容とテレワークへの懸念点・解決策を見ていきましょう!
これからテレワークの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

営業チーム

普段から打ち合わせ等で外出する機会が多い営業チームには、会社から一人ひとりに持出し用PCが貸与されています。
当然、万が一、紛失してしまった際にも情報が漏洩しないように、ハードディスク暗号化の対策がされています。

社外での仕事に慣れているため、テレワークは楽勝なのでは…と思っていましたが、実はお客様に渡すパンフレットや製品資料、請求書や納品書発行など、意外と紙ベースで仕事をしている面が多くありました。

打ち合わせに製品資料やパンフレット、価格表が持参できない

普段は社内で製品資料や価格表を印刷し、打ち合わせに持参していますが、オフィスに入れないとなると印刷設備がありません。
コンビニのネットプリントも費用が高くつきますし、大量のパンフレットを自宅に持ち帰るのも手間がかかり、働きやすさを重視するテレワークなのに本末転倒です。

そこで、資料やパンフレットのPDFを共有フォルダに整理し、打ち合わせ時はお客様からプロジェクターを貸りて、電子データで製品説明を行うようにしました。
紙を使わないことで、荷物の削減や、紙やインクといった印刷コストの削減もできます。

納品書、請求書が紙ベースで発行できない

納品書や請求書は、社内処理の関係上、紙での発行を希望するお客様が多くいらっしゃいます。
そこで営業チームは、日本郵便が提供する「Webレター」を検討しました。

【日本郵便】Webレター(画像は公式サイトより)
WordやPDFファイルをアップロードし、差出人・宛先を入力するだけで、文面印刷・宛名印刷・封筒詰め・切手貼り付け・発送・配達までを日本郵便が一括で代行する郵便発送サービスです。
これなら印刷機器は使わない上にネットからすぐに申し込めるので、オフィス外からも手軽に利用できます。

印刷・発送の手間が大幅に削減できるため、営業チームでは早速、「テレワーク期間中だけでなく常時利用したい!」との声が上がっています。

マーケティングチーム

マーケティングでは、特にテレワークに支障が出そうな項目はありませんでした。
Webサイトはワードプレスで構築し、各種記事やお知らせもPC上で制作するため、リモートデスクトップで会社PCを操作すれば問題ありません。また、ライターさん業者との打ち合わせも社外で対応できます。

ミーティングはSkypeで実施

毎週火曜日に開いているチームミーティングは、Skypeを使ったWeb会議で対応します。
メンバーそれぞれが自宅や会議室の外から接続テストし、7人でも問題なく使えることを確認しました。

 

後はテレワークを待つばかり…のはずでしたが、会社PCに接続するテレワーク端末に注意すべき点がありました。

持出しPCがない!「BYOD」のセキュリティは大丈夫?

マーケティングは営業と違って持出しPCの貸与がないため、個人所有端末の業務利用、いわゆる「BYOD(Bring Your Own Device)」を採用することになります。

BYODでは、端末は個人の所有物のため人によって使い方は様々ですし、会社PCと違ってセキュリティレベルが統一されていません。
そのため、事前に下記のような注意喚起が行われました。

✅Windowsアップデートの更新が行われているか確認する
✅セキュリティソフトは最新バージョンが適応されているか確認する
怪しいサイトから不用意にデータやソフトをダウンロードしない

当たり前のことですが、普段プライベートで使用していると、再起動が面倒でついつい最新バージョンの適応などを後回しにすることがあるんですよね…。

ちなみにマーケティングでは、ノートPCを持っている人が多く、実家に帰省して仕事をする、カフェで打ち合わせをするなど自由にテレワークのスケジュールを立てています。
しかし、マーケティングのデザイナーは、業務で使うAdobeのソフトが入ったPCがデスクトップのため、持ち運びができず自宅勤務のみの予定です。

技術チーム

技術チームも、普段から開発工程は分担し、個人環境下で仕事を進めていることが多いため、テレワークによる影響はありません。
開発の進捗や報告、相談するミーティングも、マーケティングと同じくSkypeでのチャットやWeb会議で可能です。

しかし、技術チームはPassLogic製品の開発作業とは他に、社内ネットワークとサーバーの管理も担当しています。ここに状況によってはテレワークを中止せざるを得ない問題が潜んでいました。

ネットワークトラブル、サーバーの障害発生

技術チームが最も懸念していることは、ネットワークトラブルやRAS(※)に障害が発生することです。
(※)リモートアクセスサーバー。遠隔地からネットワークにアクセスするのに必要なサーバー。

オフィスビルの停電、ネット回線・サーバー・機器の通信不具合、各個人PCの故障など、何らかの突発的な原因により障害が起こると、社外からではインシデント管理が満足にできません。
その結果、VPNが繋がらず全社員がリモートデスクトップを使えない、共有ファイルサーバー利用が出来ないなど、テレワークの続行自体が難しくなる事態も起こり得ます。

現在、クラウド上に移動できるシステムは徐々に移動していますが、障害が発生した場合、原因を特定・解決するための最終手段として、やむを得ずオフィスに入る可能性があるとのことでした。

個人PCはテレワーク前日に必ずWindowsアップデートを!

予期しないPCの再起動を防ぐために、前日にWindowsアップデートを手動で確認・実行しておきましょう。
また、めったにないケースですが、再起動によってIPアドレスが変わらないように、固定IPを設定しておくことも有効です。

総務チーム

オフィスロックアウトが決まった際、「どうやってテレワークするの?」と皆に聞かれていたのが総務チームです。
電話応対、経理作業、個人情報・契約書類の取り扱いなど、総務の仕事は基本的にオフィスとの結びつきが強いため、どのようにテレワークを実現させるのか、試行錯誤を重ねました。

電話受付は電話転送サービスを利用

パスロジにくる電話は、基本的に総務が対応し、各チームに割り振られます。
普段オフィスにいればボタン一つで簡単に取り次げますが、オフィスロックアウト中は、そもそも電話を取る人が誰もいません。
一歩間違えれば、何度電話しても誰も出ない!とお客様からお叱りを受ける事態に…。

テレワーク期間中だけ私物の携帯電話を使う、お客様に個人へかけ直してもらうなど様々な案が出ましたが、電話代の精算はどうするのか、そもそもお客様に何度も電話を掛けさせるなんてナンセンス…と話し合った結果、クラウド型の電話(PBX)サービスを使うことになりました。

まとめてクラウドPBX(画像は公式サイトより)
オフィスに掛かってきた電話を、別の固定IP電話やスマートフォン(事前にアプリのインストールが必須)に転送する仕組みを用意しました。
電話がかかってくる頻度から考えて、営業3名、マーケティング1名、総務1名が転送を受けることが決まりました。
転送電話を対応した人は、電話を再転送、メールやSkypeチャットで折り返しを指示します。

納品・請求処理は紙を廃止、Web上のワークフローに移行

お客様に製品を納品する際、営業事務と総務でそれぞれ作業が必要です。

【作業内訳】
・営業事務…請求書、売掛金管理表を総務に提出、納品作業、注文書のファイリング
・総務側…納品物の確認、会計システムへのデータ入力、売掛金管理表のファイリング

今までは太字の部分を総務側と営業側で、「紙で手渡し」していましたが、直接会う必要があるためテレワークには不向きです。
営業チームと話し合いを重ね、Web上のワークフローでの処理に変更しました。
(監査の関係上、紙で書類を残す必要があるため、月末にまとめて必要な書類を印刷・保管します)

営業からも総務からも、一件ごとに印刷をしなくていい、担当者が不在の時でも申請が出しやすく、作業の効率化が進んだと好評です。

その他の業務

・会計システム(弥生会計)への入力→会計システム用PCにリモートデスクトップ接続(クラウド上のWindowsサーバーを利用する案も検証してみたが、性能面の課題が解決できなかったため今回は利用を見送り)
・ビルの管理関連(清掃、点検)→事前に管理会社に連絡し、オフィスロックアウト中は不要と連絡
郵便物の受け取り→受け取り代理人に依頼
・郵便物、宅配便等サインが必要な物の受け取り
→事前に配達日調整、オフィス入り口にテレワーク中の連絡先を掲示

総務のテレワークはサテライトオフィスで実施

営業、マーケティング、技術がモバイルワークなのに対し、総務はサテライトオフィスでテレワークをします。

サテライトオフィスは、プリンターや会議室などオフィスとしての環境が整っています。
総務は会社情報や個人情報など、機密性が高い書類を扱うことが多いため、ショルダーハッキングやWi-Fi等のセキュリティを心配することなく、仕事に集中できる環境は大きなメリットです。
どこまで実際のオフィスと同じように働けるのか、体験できるのが楽しみとのことでした。

また、サテライトオフィスは、総務省が提供している「お試しサテライトオフィス」や、厚生労働省の委託事業として展開しているものもあり、政府が積極的にモデル事業として運営・利用を推奨しています。

リモートデスクトップで会社PCを遠隔操作

仮想デスクトップ方式、クラウド型アプリ方式、アプリケーションラッピング方式など、テレワーク方法は沢山ありますが、パスロジではリモートデスクトップ方式でオフィスにある会社端末を遠隔操作します。
リモートデスクトップはWindows10 Proに標準搭載している機能を使用します。
ただし、リモートデスクトップの際のインターネット経由の接続にはVPN接続を行います。

事前にVPNクライアント(Cisco AnyConnect)をテレワーク端末(個人PC)にインストールし、テレワーク端末と会社PC間でリモートデスクトップの設定を行います。
個人PCのVPNクライアントからVPNルーターにアクセスする(①)と、PassLogicによる個人認証が行われます。(②)
認証が成功したら、リモートデスクトップ接続で会社PCにアクセスし、それを介して社内サーバーに自由にアクセスできます。(③)

PassLogicによるVPNへの認証手順は、こちらの動画をご参照ください。(実際に使用しているものとは異なります)

②で認証を行うPassLogicは、パスロジ株式会社が提供する企業・団体向けの認証システムです。
業務システムへの認証を通常のID・パスワード認証から、トークンレス・ワンタイムパスワード認証や、TOTP型のワンタイムパスワード認証に置き換えて、認証セキュリティを強化するソフトウェアになります。
>PassLogic製品紹介ページ

また、パスロジはテレワーク・デイズに応援団体としても参加しています。
「PassLogic」のライセンスを無償提供するキャンペーンを実施中ですので、詳細は下記URLをご覧ください。
>「テレワーク・デイズ参加応援!PassLogicお試しキャンペーン」実施のお知らせ ~PassLogicライセンスを期間限定で提供!~
※キャンペーンは終了しました。

実施編は8月10日公開予定!

4月に総務省からテレワーク・デイズ実施のお知らせが来てから、パスロジのオフィスロックアウトが正式に決まったのが5月の後半でした。
約2か月弱で進めた「誰も会社にいないテレワーク」。
果たして無事に実現するのでしょうか!?

結果は8/10公開予定「パスロジ流テレワーク・デイズレポート②実践編」で公開予定です。
ぜひご覧ください!

 

※記事中に記載されている、会社名、製品名、ロゴ等は、各社の登録商標または商標です。