皆さん、ゲーム楽しんでますか?
第1回では、あなたの情報を守る理由について書きました。第2回では、各サービスのアカウントを作る時に、あなたの情報を守るために、気をつけるべきことを説明しようと思います。
その前に、アカウントとは何か、なぜ必要なのかも説明します。ひとつひとつ説明していきますからご心配なく。

>オンラインゲームセキュリティガイド「正体バレても大丈夫?ネットの向こうにご用心」記事一覧

サービスアカウントとは?

ここでクイズです。そもそも「アカウント」とは、どういう意味でしょう?

【1】乗車券、切符
【2】会計、口座
【3】略歴、人物紹介、名刺

正解は【2】の「会計、口座」です。
元々はダウンロードゲームやダウンロードコンテンツを購入するときに引き落とされる口座を登録するという意味だったんです。
現在ではサービスの内容も多くなったため、「このプレイヤーは、どのサービスを受けているか」を管理するための個人識別に利用されるようになりました。
現代のオンラインゲームでは、このアカウントがないと何もできないのです。それだけではありません。現在ではSNSのアカウントと結びつけることで簡単にログインできたり、ゲームの画像(スクリーンショット)をSNSへ簡単に投稿できたりします。

このアカウントにも2種類あります。

1)ローカルアカウント

ローカルアカウントとは、ネットに繋いでない状態でもプレイヤーを識別するために利用するものです。
例えば家族でゲーム機を使っているときに、家族のうちの誰が使っているかを識別します。

2)サービスアカウント

サービスアカウントとは、ネットに繋いでいる状態でプレイヤー個人識別を行い、どのサービスが使えるかを管理するためのものです。
ネット経由でのプレイヤー識別にも使用します。

今回は、サービスアカウントのうちの「Sony Entertainment Network(SEN)アカウント」「ニンテンドーアカウント」の作り方、そして作るときに注意してほしいことを伝授します。
もうアカウントを持ってる人も、これを読んだら、設定しなおすか、作り直したいと思うかも……!

……と、アカウント作成の前に「メールアドレス」は持っていますか?
持っているなら、ここまで飛ばしてOK。
持ってなければ、次のコラムを読んで、メールアドレスを入手しましょう!

【コラム】メールアドレスの入手方法

現在では、インターネットサービスだけでなく、リアルなサービスでも、メールアドレスを聞かれることが多いです。必需品ともいえるメールアドレスの入手方法を紹介します。
入手したら、一生使い続けることになるかもしれませんよ?

なお、メールを送受信するには、スマートフォンやパソコンでメールアプリを使うことになります。ひとつのメールアドレスで、どの端末のアプリでも受け取れるように設定することも可能です。

メールアドレスの入手方法は主に3つの方法があります。

【1】インターネットプロバイダや携帯電話キャリアのサービスを利用する
【2】GoogleやYahoo! Japanの提供する無料ウェブメールサービスを利用する
【3】Appleのメールサービス「iCloudメール」を利用する

もしあなたが未成年なら、【1】の方法を保護者の方に依頼するのが最良でしょう。あなたが法的に責任を取れない以上、連絡先は保護者と共有しておくべきだからです。
ただし、後日、そのプロバイダ・キャリアから変更することになった場合、そのメールアドレスが使えなくなります。メールアドレスだけを使い続けられるサービスを用意しているプロバイダもありますので、確認しておきましょう。

メールアドレス変更を避けたい場合や、インターネットプロバイダを使っておらず、携帯電話もMVNOを利用していてメールアドレスの提供がない場合などは、【2】ウェブメールサービスを使う方法があります。
各サービスが廃止されない限り、使い続けることができるでしょう。
しかし、ウェブメールサービスのメールアドレス(「~~@gmail.com」や「~~@yahoo.co.jp」)だと、送ったメールが迷惑メール扱いになってしまったり、登録を受け付けてくれないサービスがあったりするのがデメリットです。
各サービスのメールアドレスの作り方は下記のリンク先を確認してください。

>Google提供「Gmail」のメールアドレスの作り方
>Yahoo! Japan「Yahoo!メール」のメールアドレスの作り方

iPhoneなどのApple製品を使うと「Apple ID」というアカウントを入手して、Appleの各種サービスを受けられるようになります。Apple IDは「~~@icloud.com」というメールアドレス形式となっており、そのままメールアドレスとして使うことができます。
このメールサービス「iCloudメール」については、下記のリンク先を確認してください。

>Apple提供「iCloudメール」

なお、Androidのスマホの場合は、Googleアカウントを入手し、Gmailを使うことになります。

ここで紹介した方法以外にも、自分でメールサーバーを立てるなど、入手方法はいろいろあります。自分に合った方法で入手してみてください。
いくつかメールアドレスを作って、用途によって併用するのもアリでしょう。

このコラムの最初に書きましたが、メールアドレスはその後一生モノになることもあります。乗っ取られると一大事なので、次回記事を参考にして強いパスワードを使って守るようにしましょう。

「SENアカウント」を作る=「PlayStation Network」への加入


PS4を最初に起動すると、「SENアカウント」を作るように勧められます。これがないと様々な動作が制限されますので、ぜひ作っておきましょう。
ちなみにSENアカウントは、昔は「PlayStation Network(PSN)アカウント」と呼ばれていました。PlayStation3やPlayStation Portable、PlayStation Vitaで作ったことがある人はそのまま使えます。
新しく作る人も、この記事を読めば簡単に、安心して作れるので、サクっと作っちゃいましょう。

生年月日は重要!

まず、生年月日を聞かれます。ここは適当に入力するのではなく、あなたの生年月日を正しく入力してください。
後で変更することはできません。
正しく入力すべき理由は2点です。
ひとつ目は、年齢制限ありコンテンツを購入するときにこの生年月日が参照されるから。
ふたつ目は、パスワードを忘れてしまった際に、パスワードリセットするのに聞かれる重要な情報だからです。適当に入力して、後で忘れてしまうと、面倒くさいことになります!

住所は大まかでOK

次に住所です。細かい住所を入力する必要はありません。郵便番号を入力することで自動的に補完されますので、それが正しいか確かめてください。
ちなみにこの項目は、消費税が州ごとに異なる米国で主に参照される項目だったりします。

サインインIDはメールアドレス

さて、サインインIDです。アカウントの名前ですね。
これは自分の持っているメールアドレスを正しく入力してください。
メールアドレスを持っていない場合は、メールを受け取れる環境とメールアドレスを手に入れましょう。入手方法は、前出のコラムで紹介しています。

メールアドレスを入力したら「すでに登録されているメールアドレス」と表示された場合は、そのメールアドレスですでにアカウント登録されているということですから、それでサインインしてみましょう。

パスワードを決めて入力

パスワードに関しては、他のサービスとかぶらない、できるだけ長いパスワードを作って入力しておいてください。
30文字まで大丈夫なので、とりあえず15文字くらいの好きな日本語をローマ字にしたものが良いでしょう。名前や住所など、自分を表す他の情報を使うのはNGです。
安全なパスワードの作り方と、管理する方法は、次回くわしく説明します。あとでパスワードを作り直して設定しなおすこともできます。

その次はアバターを設定します。これは後でも変えられますのでお好きなものを選択してください。

オンラインIDと氏名入力は慎重に!

そしてオンラインIDと名前の入力です。
ここで注意点ですが、オンラインIDには、あなたの「正体バレ」につながる情報、具体的には自分の名前生年月日などは使わないようにしましょう!
オンラインIDはゲーム内などで公開される上に、あとで変更できませんので、後で「あー、本名じゃなくしておけばよかった」となっても遅いのです……。
実は筆者はこのオンラインIDに本名を登録していて非常に後悔しております……(当時はこの注意点が周知されていませんでした)。

ローマ字で入力する姓名は、あなたが許可した人にしか公開されません。こちらはコントロールできますので、正しく入力しておくことをお勧めします(変名を入力することでのペナルティはありません)。

自分のポリシーに従ってプライバシー設定

そして、プライバシー設定です。ここはあなたの「ポリシー」に従って設定してください。「ポリシー」とは、「正体バレ」をどこまで許すのか、の方針のことです。
まったく公開しない設定から全世界へ公開まで、細かく設定できます。
ただし、一点だけ注意すべき項目があります。「検索での実名」です。これを「許可」すると、先ほど入力したローマ字の姓名を誰かが検索すると、あなたが見つけ出されてしまうということです。そして友達や見知らぬ人からフレンド依頼が来るかもしれません。
PSNで遊んでいることがバレたり、フレンド依頼が来ることがOKであれば「許可」しても良いですが、「正体バレ」を避けたい場合はここを許可しないにしておくべきです。
誰か特定の人とフレンドになりたい場合は、フレンドになるその時だけ「許可」にして検索してもらい、フレンド依頼を受け付けて、そのあとに「許可しない」にすればOKです。

SENアカウント作成完了!

以上を全て登録すれば完了です。SENアカウントが作成されました。ここで、先ほど登録したメールアドレスに確認のメールが届きますので、そのメール内の「確認する」ボタン(リンク)をタップ(クリック)してください。
この後、「二段階認証」に使用するための携帯電話の番号を登録するよう促されますが、ここは次回説明しますので入力せずに進めてください。

もうちっとだけ続くんじゃ

さて、続いて「アカウントをFacebookにリンク」するように促されます。
Facebookとは、世界最大の「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」のこと。自分のプロフィールや日記などを掲載して、ネット上でコミュニケーションするためのサービスです。使っていないのなら、とりあえずスキップしましょう。後で使うようになったときに考えましょう。
Facebookを使っていて、リンクするように設定すると、フレンドをFacebookから探し出したり、Facebookにスクリーンショットやムービーを投稿できるようになったりします。
ただ、他の人からも探し出されることもありますので、「正体バレ」を避けたい方はここをスキップしておきましょう。

オンラインマルチプレイには「PlayStation Plus」が必須

次にPlayStation Plusへの加入を促されます。オンラインマルチプレイをするときには必須ですので、オンラインゲームをプレイする場合には加入しておきましょう。オンラインマルチプレイ対応タイトルリストはこちらです。
最初の14日は無料ですが、無料期間が終わったら利用権を購入しないとオンラインマルチプレイはできなくなってしまいます。
利用券の購入は、PS4上でも、Webサイト「PlayStation Store」でも購入できます。料金や購入方法はこちらを参照してください。クレジットカードや、携帯電話料金と一緒に払うモバイル決済「PayPal」などが使えますが、まだインターネットでの料金支払いに慣れていない人は、お店で「プロダクトコード」を購入して入力するのが一番安心でしょう。
クレジットカードなどの支払い方法の場合、購入した期間が過ぎると自動的に次の期間の料金が登録された口座から引き落とされるので、注意してください。(当然、口座に充分なお金がない場合はサービスがストップします)
オンラインゲームに限らず、いかなるサービスでも無料期間があると言っても、クレジットカード番号や請求先を登録するということは、無料期間終了後に自動引き落としが実行されると考えておきましょう。
まだ購入するか悩んでいる場合は、オンラインマルチプレイをしたいタイトルができてから加入し、無料期間中に続けるかやめるかを決めると良いでしょう。

家族がいる方はファミリー設定を

最後にファミリーを設定する項目もあります。
これは家族でPS4を使っていて、未成年のプレイを管理するための項目です。
もし、家族でPS4を使っていて、子供がいる場合は登録しておきましょう。ちなみにあなたが未成年の場合は、先に保護者のアカウントを作っておいてもらって、このファミリー設定でアカウントを作成することになります。これでようやく完了です! お疲れ様でした。

「ニンテンドーアカウント」を作る

「Nintendo Switch」で、オンラインで遊ぶには「ニンテンドーアカウント」が必要です。
とりあえず手順ごとにみていきましょう。

アイコンを設定、Miiも使えるよ

まず、アイコンを設定します。これは好きなものを設定してください。Miiを使うこともできますので、細かい設定もできます。

ニックネームは本名以外を

次にニックネームです。
ニックネームはゲーム内などで公開されるので、そのまま本名を使うと「正体バレ」してしまうかもしれません。本名や誕生日など、自分と特定できるようなニックネームは避けておきましょう。

「ニンテンドーアカウント」の作成&連携

ここまで作ったのは実はローカルアカウントです。オンラインで遊ぶためには「ニンテンドーアカウント」を作成して連携する必要があります。ニンテンドーアカウントを作っておきましょう。

また、「ニンテンドーアカウント」と「ニンテンドーネットワークID」とは別モノです。
「ニンテンドーネットワークID」は「3DSシリーズ」や「Wii U」で使用するものです。

スマートフォンやパソコンが必須

ニンテンドーアカウントはNintendo Switch単体で作ることはできず、スマートフォンやパソコンを使って、ウェブサイト上で作る必要があります。
また、メールを確認できるメールアドレスを持っている必要があります。
メールアドレスを持っていない場合は、メールを受け取れる環境とメールアドレスを手に入れましょう。入手方法は、前出のコラムで紹介しています。

まず、Nintendo Switchから自分のメールアドレスにメールを送ります。
すると、メールアドレスに確認URLが書かれたメール届くので、URLをタップ(クリック)するとブラウザを開き、ニンテンドーアカウントの登録画面になります。
パスワード、生年月日、性別などを入力するだけの簡単なフォームです。
パスワードは、他のサービスとかぶらない、できるだけ長いパスワードを作って入力しておいてください。
20文字まで大丈夫なので、とりあえず10文字くらいの好きな日本語をローマ字にしたものが良いでしょう。名前や住所など、自分を表す他の情報を使うのはNGです。
安全なパスワードの作り方と、管理する方法は、次回くわしく説明します。あとでパスワードを作り直して設定しなおすこともできます。

生年月日は正しく入力してください。Nintendo Switchのゲームでも18歳以上対象のゲームはありますので、そういったものが購入できなくなる可能性があります。

最後にブラウザに表示された確認番号をNintendo Switchで入力することで、ニンテンドーアカウントとNintendo Switch内のローカルアカウント連携されます。

お疲れ様でした。PS4と比較するとかなり簡単に終わったかと思います。

「Nintendo Switch Online」に加入しよう

2018年9月20日より、Nintendo Switchのオンラインマルチプレイは「Nintendo Switch Online」というサービスとして有料化されました。オンラインゲームを遊ぶ際には必ず加入しておきましょう。

最初の7日間は無料ですが、無料期間が終わったら利用券を購入しないといけないのもPlayStation Plusと同じです。
料金についてはこちらをご覧ください。2名以上の家族が加入するときにお得なファミリーパックという制度もありますよ。
利用権はNintendo Switch OnlineのWebページから購入することもできますし、Nintendo Switch上のe-shopから購入することもできます。
クレジットカード「PayPal」が使えるのもPlayStation Plusと同様です(携帯電話会社のキャリア決済や、new3DSで使えた交通系ICカード決済は2018年9月現在使えません)。やはり、まだインターネットでの料金支払いに慣れていない人は、お店で「プロダクトコード」を購入して入力するのが一番安心でしょう。
クレジットカードなどの支払い方法の場合、購入した期間が過ぎると自動的に次の期間の料金が登録された口座から引き落とされるので、注意してください。(当然、口座に充分なお金がない場合はサービスがストップします)
オンラインゲームに限らず、いかなるサービスでも無料期間があると言っても、クレジットカード番号や請求先を登録するということは、無料期間終了後に自動引き落としが実行されると考えておきましょう。

これで、Nintendo Switchでオンラインプレイができるようになりました!

次回はパスワードの作成と管理について

というわけで、サービスアカウントを作ることができました。
問題は、今回はとりあえず作ったパスワードをどうやって作り替えて、管理していくかです。
第3回は、「強い」パスワードの作り方と、パスワード管理ソフトなども使った管理の仕方を解説していきたいと思います。
それではみなさん、良いゲームライフを過ごしましょう!

【コラム】Xbox LiveはMicrosoftアカウントを使う

もうひとつのゲーム機「Xbox One」でもオンラインプレイにはサービスアカウントが必要で、基本的にMicrosoftアカウントを使用します。
Microsoftアカウントとは、Xbox Oneだけでなく、Office 365HotmailSkype、そしてWindowsといったMicrosoft製品を使うためのアカウントです。
すでにMicrosoftアカウントを使っている人は、それをそのまま連携して使っても良いでしょう。
ただし「正体バレ」を気にする人は要注意です。念のため別のMicrosoftアカウントを作ってログインすると「正体バレ」しづらくなります。
Microsoftアカウントの作り方はこちらを参照してください。
Microsoftアカウントの作成にもメールアドレスが必要なので、メールアドレスを作っておきましょう。

【著者プロフィール】

朽木 海 (γ-Reverse代表)
ゲーム会社や出版社などの「IPが欲しい会社」と、ライトノベル作家や脚本家、漫画家などの「IPを作りたいフリーランス」を繋げるためのプロジェクト「γ-Reverse」の代表。引き続きライター業や編集者業も行っています。
18歳以上対象のゲームといってもいろいろありまして、決してお色気だけではありません。例えばバイオハザード7のグロテスクバージョンは18歳以上対象です。最近注目されているFPS(ファーストパーソンシューター)の多くもグロテスクな表現があり、18歳以上対象になっていることが多いです。生年月日登録は重々注意しましょうね。

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