明けましておめでとうございます。
年末年始はゆっくり過ごされましたか。

昨年は「テレワーク」の推進がより活発化し「働き方改革」というキーワードがさらにクローズアップされてきた年だったと思います。
そしてこの「働き方改革」推進の動きとともに、他方では小売業や飲食業の「人手不足」の深刻化も進んできており、これらが引き金となって年末年始休業を拡大する小売業や飲食業が近年増加しているようです。思えば昔は正月三が日はほとんどどこも開いてない時代もあったような気がします。不便かもしれませんが、店で働いている人にとってもお正月くらいゆっくり休みたいですしね・・・。

さて新年1発目のパスクリ通信はこの「小売業の人手不足」にからんだネタでお送りします。

人手不足が問題となっている小売業。
特に夜間営業もあるコンビニの人手不足は深刻な状況で、これからのコンビニにとっては、いかに人手不足を解消するか、という点とアルバイトなどの人件費の上昇を受けて、いかに省力化して店舗運営の効率化を測るか、が大きな鍵になっています。
アメリカではすでにAmazonによるレジなし店舗「Amazon Go」がスタートし、日本でもローソンが「ローソンスマホペイ」を段階的に店舗導入していくことを発表しており、「レジなし店舗」実現への実験が各所で進められています。
その中でコンビニチェーン最大手のセブンイレブン・ジャパンが「無人コンビニ」の展開に向けた実験店舗を2018年12月17日にオープンしました。

セブン‐イレブン三田国際ビル20F店(セブン-イレブン・ジャパン プレスリリースより転載)

実験店舗は、一般店舗ではなく、無人コンビニ実現のための顔認証システムでタッグを組んでいるNECグループが入っている三田国際ビル(港区)のビルイン店舗。あらかじめNECグループ社員は事前に登録した顔写真データと、店舗入口の顔認証スキャナーに写った顔を照合するほか、社員証と顔認証システムを連携させて、顔写真付きの社員証をかざしての入店もできるようにするとのこと。
店内で商品を選んだあとは、バーコードを読み取るセルフレジで客が自分で商品を読み取らせて会計作業を行ない、支払いは給与天引での精算となり、現金を扱わないようです。
このセブンイレブンのケースでは企業内などのクローズユーザーに限定した店舗だからこそ成り立つ「支払い行為のない」仕組みの「無人コンビニ」です。(正確には接客に関するオペレーションは無人になるものの、商品の品出しや陳列などの作業は店員が行うので、完全な無人というわけではありません。)

ちなみにユーザーを限定しない一般店舗においても「購入代金の支払いさえちゃんとしてもらえればいい」という点では、決済機能を持つスマートフォンや、SUICAなどの決済機能付きのICカードさえあれば、個人の特定がなくても支払いはできます。
上記の実験店舗の例は特殊で、給与からの天引きを実現させるために顔認証による本人認証システムが導入されていますが、本来、「店舗で商品を買う」という行為には本人認証は必要ありません。お金さえあれば誰でも買えますからね。
しかし、顔認証の導入には「犯罪を未然に防ぐ」という効果を期待している面もあります。コンビニで人手を減らすと、それだけ防犯も手薄になるということ。そこで、顔認証を導入し、それを店舗で告知し、来訪者に「店舗内での行動を見ているぞ」と認識させることで犯罪の抑止力になると考えられます。
また、「老若男女」といった来訪者の属性を自動的に判定することができれば、「どういう客がどういうものを購入するのか」、「店に来るが買わないのは、どんな属性が多いか」といったマーケティング情報の獲得もできます。
そういうわけで、店舗の無人化における決済システムと顔認証システムは、近い関係にあると言えます。

いずれにしても人員不足に悩む小売業にとっては、レジを無人化することで通常の店舗よりも大幅な人員削減になるので、今後も「無人店舗」に対する取り組みがますます活発化していくことでしょう。そこに認証技術がどう絡んでいくのか、注目していきたいと思います。