生体認証の中でもっともポピュラーで様々な所での利用が増えてきている指紋認証。最近では指紋認証での解鍵ができる「スマート南京錠」の開発が活発化して、クラウドファンディングなどでしばしば紹介され、次々と新製品が開発されています。
従来のアナログ南京錠には、物理鍵を使うものと、番号合わせによるものの2種類が使われてきましたが、「鍵の紛失」や「解鍵番号忘れ」などのトラブルがつきものでした。
「スマート南京錠」では、あらかじめ登録した利用者の指紋を読み取るだけで解鍵できるため、これらの問題が全て解決でき、さらに解鍵の手間も瞬時で済むなど、利便性の点で従来の南京錠よりも大きなアドバンテージがあります。

Taplock Corp.(タップロック社)の「Tapplock one+」

さらにこの「スマート南京錠」、鍵の利用者が複数人になる場合にこそ、最大のメリットが発揮されます。
製品ごとに性能の違いはありますが、数十人から数百人分の指紋登録ができるので、鍵を共用しないといけないケースにこそ最適。
郵便ポストやロッカー等々、家族や職場など複数の人間が鍵の開け閉めをする必要がある場合、「スマート南京錠」だと、「鍵の受け渡しや複製が必要ない」という点で物理鍵よりも優れ、利用者の減少(複数利用者のうちの一部を利用者から外す時など)の場合にも、共通暗証番号キーのように、いちいち暗証番号を変えなければいけない、という手間もない点で優れています。
すなわち複数利用者のうちの一部の人だけが利用しなくなる場合には、その人の登録情報だけ削除すれば、他の人の使用には一切影響がない、ということです。

さらに「スマート南京錠」ならではのメリットのひとつに、解鍵履歴の保存があります。どの利用者がいつ解鍵したのか、という履歴が残っている、というのが従来の南京錠にはなかった「スマート南京錠」ならではの非常に大きなメリットなのです。

では逆にデメリットは、というと機能的にはありません。
スマートロックは電源を必要としますが、これもUSBでフル充電すれば1年間くらいはもつようなので、問題ではないでしょう。南京錠は屋外での使用が想定されるので、各製品とも防水対策もされているようです。
指紋認証に関しても、鍵本体内に保存された指紋情報との照合になるので、指紋情報がネットに流れることに伴うリスクもありません。

一般的な南京錠に比べて「価格が高い(1個数千円〜2万円程度)」という点が唯一の弱点とも言えますが、この鍵の利便性と鍵によって守るものの価値を考えれば決して高くはないと思います。

強いていえば、利用者の指紋登録をしないといけない、という点で、例えば貸別荘のドアの鍵のように、一時的な利用者で、事前に会うことができない不特定の人が利用するようなケースでは、利用者ごとに暗証番号を変えてセットできるタイプの番号式のスマートキーのほうが便利でしょう。ですが、特定の人達が複数人で共用するような場合には、指紋認証式のスマート南京錠がピッタリと言えるでしょう。

指紋が正しく認証できなかった場合の救済方法など、それぞれの製品で考えられているようですし、複数の人が共用する南京錠を使っている方は、導入を考えられてはいかがでしょうか。