増えている生体認証導入施設

SEL OCTAGON TOKYOサイト 認証アプリの紹介ページ

このところ生体認証を施設への入場管理に使うケースが増えてきました。
エイベックス直営の大型ナイトクラブ「SEL OCTAGON TOKYO」が2019年2月7日、六本木にオープンしました。
この店では富士通の静脈認証システムが導入され、初回入店時に静脈認証登録を行うシステムになっていて、登録以降は全てクレジットカードでの自動決済になり、キャッシュレスとなっているようです。

>エイベックス直営「静脈認証」で身分証フリー、キャッシュレスの最新ナイトクラブ「SEL OCTAGON TOKYO」に潜入(ビジネスインサイダージャパン 2019年2月12日)

また最近では無人コンビニの実験も各チェーンで進められており、これらの店舗でも決済は生体認証によるキャッシュレス化が基本となっていて、「生体認証+キャッシュレス決済」というセットで店舗オペレーションの効率化や防犯面での安全対策も考えられている場合が多いようです。

ICカードによる認証の場合は、ICカードの貸与などにより、本人以外の人が使っていてもそれを判断することはできません。
しかし生体認証の場合は「なりすまし」による認証がしにくい、という優位点があり、その点では特定の人だけを入場させる入場管理システムでの認証には適しているのです。

さらにこんなニュースも入ってきました。
>顔認証で入場規制=ギャンブル依存対策-政府計画案(時事ドットコムニュース 2019年3月7日)
これによると、政府によるカジノ推進の一環として「ギャンブル依存症」の防止のために顔認証を使うことが検討されているということです。
ただし、この件については、日本人の場合は、カジノ入場の度にマイナンバーカードを携帯/提示して認証を受けないと入場できないように法律で決まっており、マイナンバーカードでカジノへの入場履歴が紐づけられ、高頻度の来場者の入場を制限するようになっています。それに追加して顔認証まで必要か、という議論も起きています。

またこういうケースもあります。

キッズドーム ソライ(山形)

>顔をかざすだけ入場できるハイテク“超”児童館、子どもたちの反応は? NECの顔認証システムで来場者の安全とスタッフの業務効率化を実現(ITメディア2019年3月6日)

この児童館では登録した子供たちの入館管理を顔認証により行うことで、ICカードのような「カードの貸し借りによるなりすまし」を防げるだけではなく、「カード忘れや紛失」などの発生と、それに伴う対応が不要になり、入館オペレーションに必要なスタッフ数を減らすこともできるなど、スタッフの業務効率化や経費節減につながっています。
さらにもう一つの大きなポイントは「入館連絡メール」です。
子供が施設に入場すると自動的に保護者に「入館連絡メール」が送信されるようになっています。
これはなりすましのできない生体認証だからこそ意味があることで、このサービスにより、親は子供が入館したことを確実に把握することができますし、さらに会員の個人登録情報に入館履歴を紐付けして残しておくことができるのも、顔認証システム導入の大きなメリットです。

さらに先日のパスクリ通信「ラーメン屋で顔認証?」(2019年3月8日号)
で取り上げたように、顔認証を使って「常連客」を可視化、ということもこれからいろいろと発展活用されていくことでしょう。


ポイントは「認証した人が本人であること」「そこに本人がいること」「その人の利用頻度等履歴がわかること」。

知識認証証では「パスワードなどを教えてしまう」、所有物認証「モノを渡してしまう」ことで、簡単になりすましができてしまいます。生体認証と認証情報を渡すことが難しいため、精度が高く確認できるのです。
このようなポイントを実現できる生体認証は、セキュリティ面だけではなく、サービス運営側にメリットをもたらしてくれる可能性があります。

次はどんな活用事例がでてくるのか、楽しみですね。