米国カリフォルニア州サンフランシスコの市議会で、2019年5月14日、公共機関での顔認識システムの導入を禁止する条例が可決されました。米国の自治体(州)としては初となるこの条例は来週には正式に成立する見込みです。

ロイター「米サンフランシスコ市、顔認証技術の利用禁止する条例案を可決」

この条例により、サンフランシスコ市の警察や市営交通機関を含むすべての地方機関は今後、顔認識システムが導入できなくなるようです。
このところ顔認証システムの多方面での導入ケースが増えてきている状況なので、それに逆行する流れになりますが、どうしてでしょうか。条例案を推進してきた側からは、現時点での顔認証技術が精度的に信頼できるレベルに達していない点をあげています。
虹彩認証や指紋認証に比べて誤認識率が高いことなどがマイナスポイントになっているようです。
もちろん顔認証システムも様々なメーカーが技術開発をしているので、かなりの認識精度を持つものもあれば、認識精度のやや劣るシステムもあるのは事実でしょう。
また顔認証システムの場合、虹彩認証や指紋認証のように、認証を受ける人が認証を受けることをわかっている状態で認証が行われるだけではなく、本人が意識しないところで防犯カメラなどで勝手に顔を認識されて、勝手に認証(※)が行われる場合もありえることが、市民のプライバシーや自由の侵害につながっている、という主張になっているようです。

※用語的にはこれは認証ではなく「識別」になります。

今回成立することになるこの条例は、港や空港など合衆国連邦政府が管轄している施設や民間企業、個人には適用されません。

しかし、米国の空港での顔認証での入国審査システムの導入が進められ、日本でも同様に入国審査システムで導入され、東京オリンピックに向けて膨大な数の人を対象とした顔認証システムの導入が進められようとしている中で、水を差す形になる今回のこの条例、あくまでも「市条例」という狭いレベルでの決定ではありますが、今後の波紋が気になるところです。