国土交通省は「ストレスフリーで快適な旅行環境の実現」のために、2020年には、成田空港での出国時搭乗手続きを顔認証システム「One ID」で一元化し、手続きの効率化を図ることを発表しました。ちなみに2020年春の運用開始時は、日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)の国際線がOneIDに対応する予定だということです。

下記の表では、出国時の手続きの手順を、現在とOneID導入後で比較しています。現在では、各手続きプロセスが別々なので、4回もパスポートや搭乗券を提示しないといけません。

手続き 現状で
提示するもの
One ID導入後
提示するもの
1. 航空会社のチェックイン/受託手荷物預け入れ パスポート、搭乗券 パスポート、搭乗券、
顔認証(登録)
2. 空港保管検査(機内持ち込み手荷物の検査) 搭乗券 ↓ (顔認証通過)
3. 出国手続き(係員もしくは顔認証、指紋認証) パスポート ↓ (顔認証通過)
4. 搭乗ゲート パスポート、搭乗券 ↓ (顔認証通過)

しかしOne ID導入後は、1のチェックイン時に顔認証の登録をすることで、あとの2〜4の手続きでは顔認証だけで、パスポートや搭乗券の提示が不要にする、というものです。
顔の怪我などで顔認証できない場合や、自分で歩行できない負傷者や乳児、障がい者への対応をどうするのか、という点が気になります。

また、今回の発表では明記はされていませんが、現在の出国審査における顔認証ゲートと同じように、日本のパスポート保持者だけが対象になると思われるので、One ID対象外の外国人旅行者もいる以上は、「係員なし」とはならないと思います。
とはいえ、毎日膨大な人数をさばかないといけない空港側にとっては、アナログでの確認作業が減ることで、かなりの効率化・省力化につながるでしょう。

また、別の利点として、現在のアナログなシステムでは、1でチェックインした旅行者が、4の搭乗ゲートに現れない場合、その間のどこにいるのかが全く把握できませんが、One ID化によって、2や3の手続きを済ませているかどうかをコンピューターで確認することができるようになることが挙げられます。

世界中の空港では、顔認証システムが相次いで導入されはじめています。日本の空港でもすでに顔認証ゲートでの日本人の出入国審査の無人化はスタートしていますが、さらにそれを進めていくことは、インバウンドも含めた旅行者の増大に対応した空港処理能力の強化につながります。
より円滑な空港業務の実現と、旅行者のストレス軽減が図れるようになることに期待したいと思います。