今回は認証やセキュリティネタからは少し離れますが、どのWebブラウザがどれだけ使われているかの動向について書きたいと思います。
というのは、Webブラウザの利用動向が変わると、サイバー攻撃のターゲットも変わってくるからです。やはり、不正利用を使用とする人にとっても、利用者が多いほうを好んで研究し、攻撃をすると思われるので。
近年、個人向けのサイバー攻撃のターゲットがPCから完全にスマホに移行してきている状況を受け、あらためてWebブラウザの最近の利用動向を調べてみました。
この利用動向を調べるのに使ったのがこちらのサイト。
Start CounterというWebブラウズの分析サイトです。
>Smart Counter
世界200万以上のサイトにトラッキングコードが埋め込まれていて、それらのサイトへのアクセスの環境変数を取得することで、環境変数から様々なブラウズの傾向を分析できるようになっています。地域(国)を指定して、その地域でのWebブラウザのマーケットシェアや端末タイプやOSシェアなど、Webブラウズに関する様々なシェアを調べることができるので、ワールドワイドでの動向と日本の動向の違いを見ることもできます。
まず利用端末の利用シェアを見てみました。
ワールドワイド | スマホ 51.65% | PC 44.6% | タブレット 3.75% |
日本 | PC 59.3% | スマホ 35.87% | タブレット 4.83% |
ワールドワイドではすでにPCよりもスマホ端末でのWebブラウズのほうが多くなってしまっていますね。
日本ではまだスマホが約36%に留まっていますが、いずれにしても2007年に初代が発売されたiPhoneからはじまったスマホ端末が、以降10余年で急激にシェアを拡大してきているのは間違いありません。
特にビジネスユースではまだPCメインであっても、若者や主婦、高齢者などPCを使わない人たちにとっては、Webブラウズはもっぱらスマホだけ、という方が多いのは事実でしょう。
次にWebブラウザの利用シェアを見てみます。
全端末プラットフォームでの主なWebブラウザシェア(2019年8月)
ワールドワイド | Chrome 63.99% | Safari 15.48% | FireFox4.44% |
日本 | Chrome 46.05% | Safari 32.14% | FireFox5.2% |
日本ではSafariのシェアがかなり高いようですが、これは日本におけるiPhone人気が異常に高いのがその理由でしょう。
実際にモバイル端末のOSシェアを見てみますと、次の通り
ワールドワイド | Android 76.23% | iOS 22.17% | その他 |
日本 | iOS 69.8% | Android 29.91% | その他 |
iOSが約7割と、日本でのiPhone人気が異常に高いことがわかりますね。
さて、今回は、Webブラウザの利用動向について端末種別やブラウザ種別のシェアを調べてみましたが、以前のPC全盛時代は、Webブラウザの中心はInternet Explorer(IE)だったのですが、現在はWindows PCでもIEやその後継となるEdgeのユーザーが少なく、Androidスマホユーザーと合わせて、Chromeブラウザが圧倒的なシェアを握っていることが改めて確認できました。
セキュリティ強化に力を入れているChromeが、今後もセキュリティ強化を継続していくことに期待したいと思います。