2019年もあと数日。今年最後のパスクリ通信になります。

携帯電話開設時の顔認証登録義務付けが開始
中国では、2019年12月1日より携帯電話サービスに関する新規則の運用を開始し、新規加入時に顔認証データの登録を義務化するというニュースが入ってきました。
現在中国では、AIによる顔識別技術が、ショッピングでの支払いや防犯カメラなど様々な場面で利用されていて、顔認証により現金はもちろんスマホも不要の決済手段が実現され、導入されつつあります。
安全かどうか、という点は別にして「顔認証先進国」の中国ですが、中国当局は新制度を通して、「ネット検閲をさらに強化するつもりだ」という批判の声もあがっていて、顔識別による個人特定が、政府の人民統制を進めることにつながり、より国民が管理されるようになり、自由やプライバシーが侵害され、悪用される恐れもあるのではないか、という懸念が広がっているようです。
そしてもうひとつの不安が、生体認証データが漏出したり売却される可能性もあるのではないかとのこと。



中国で顔認証用データの「闇ビジネス」出現
2019年11月19日の中国紙・新京報によると、中国のIT関係者用の掲示板やネット通販サイトなどで、大量の顔画像データが無料、または有料で提供されているということです。
有料の場合でも3万枚の顔写真データがわずか8元(約123円)で販売されているとのこと。これらの顔画像データはSNSなどに掲載されている画像が出どころのようです。
これは公開されている顔画像を集めたもののようですが、これがビジネス化すると、他の方法で集めた顔画像でも売れるという判断につながります。
そうすると、買い物や交通機関の顔認証で使用された顔画像や、中国全土に2億台もあると言われている防犯カメラで撮影/録画された顔画像を販売しようと考え、実行されてしまう恐れは十分にある、ということでしょう。

実際のところ、顔認証を行うには、顔認証用の特徴データがあれば、顔画像自体は必要ありません。しかし、このようなビジネスが発生してしまうと、顔画像も本人の許諾なく撮影、保管、そして販売しようとする輩も生まれてくるかもしれません。
もしくは、顔認証用特徴データが売買されるようになる可能性もあります。

生体認証にとって一番恐ろしいことは、生体情報は変更が困難ということ。現在は複製も困難なので、悪用も困難ですが、未来においてどうなるかは分かりません。
果たして、安全な運用がされると信じていて大丈夫なのか、この中国の状況を見守っていきたいと思います。

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さて、今回のパスクリ通信が2019年の最後の号となります。
今年も52本の記事を書かせてもらいましたが、今年1年を振り返ると「生体認証の躍進」と「フィッシング詐欺の大幅な増加」の年だったような気がします。
生体認証については、今回の記事のように課題もあります。どのような解決策が出てくるのか、または利用環境の制限が始まるのでしょうか。
フィッシング詐欺は、個人で気を付けることはもちろん必要ですが、サービス側もフィッシング詐欺が存在する前提で、サービス内容を考える必要がある時代になったということです。
来年も生体認証やフィッシング詐欺をはじめ、認証セキュリティ関連の話題をご提供していきたいと思います。

今年1年間、パスクリ通信をご覧いただき、ありがとうございました。
それでは来年もよいお年を!!