東芝インフラシステムズは2020年1月29日、指紋認証機能を搭載したICカード「BISCADEカード」の商用出荷を発表しました。

>日本経済新聞「東芝、指紋認証カードを商用出荷」

このカード、事前にチップ内に指紋情報(正確には指紋の特徴点情報)を登録しておき、専用のカードリーダーに差し込んで、カード表面にある指紋リーダー部分に指を置くと指紋認証が行われ、チップ内の登録情報と一致し、正式なカードの所有者として認証が済めばカードが有効になる仕組み。

指紋の照合はカードの中だけで完結するため、指紋情報が漏洩する恐れはありません。また従来の4桁の暗証番号より、紛失や盗難により第三者に使われてしまうリスクは小さくなります。
暗証番号の場合は、「知識」と「カード保有」による二要素認証ですが、この場合は「指紋」と「カード保有」二要素認証となります。登録した指紋が変質・欠損してしまった場合のバックアップがどうなっているのかが気になるところです。

指紋認証ICカード「BISCADE™カード」

今回発表された出荷カードは、ローレルインテリジェントシステムズ(東京・港)が発売するパソコンのログオン用カードとして出荷されるのですが、指紋認証の技術は、キャッシュカードやクレジットカードにも搭載できるということです。東芝インフラシステムズによると、既存のカードの読み取り機もソフトウエアを改修すれば利用できる、ということなので、店舗のクレジットカードリーダー(読み取り装置)のファームウェアアップデートなどでの指紋認証カードへの対応が進めば、クレジットカードの店頭での不正利用の防止という点からは有効なソリューションとなるため、カードのコスト如何によっては普及も期待できるのかもしれません。

ただし、クレジットカードやキャッシュカードへの搭載については、店舗にある既存のリーダーでは対応できない場合もありそうですし、キャッシュカードの場合はATM機ようにカードを完全に機械内に入れてしまうものだと対応できないなど、搭載に向けて解決しないといけない問題も多いため、当面は機器の起動や、施設への入退室での利用に留まりそうな気がします。

なお、今回のプレスリリースでは事前のカードへの指紋情報の登録の方法(プロセスや何本の指を登録するのかなど)や、カードへの通電の必要性や方法、必要な機器に関する情報がなかったのと、先ほども書きましたが、指紋の変質や欠損により本人拒否が起こってしまった場合の救済策については書かれていませんでしたので、そのあたりが気になるところです。

今後、クレジットカードやキャッシュカードなどにも導入されていくのでしょうか。動向に注目しましょう。