「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の一環として、政府が国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」。そのオンライン申請が5月1日から始まりました。
申請方法はオンライン申請以外にも、各自治体から送付された書類による郵送申請も用意されていますが、自治体はゴールデンウィーク明けの2020年5月7日から順次書類を発送することになるため、オンライン申請を行おうとする人がゴールデンウィーク中から動き始めました。

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オンライン申請では、郵送申請のような本人確認書類のコピーを添付する必要がない代わりに、「マイナンバーカード」が必要になります。
しかし、マイナンバーカードの普及率は昨年末の時点で15%程度でしかなく、ゴールデンウィーク明けから取得申請をする人が、各自治体の役所に訪れました。また、マイナンバーカードのトラブルによりオンライン申請できない人も殺到してしまい、役所によっては大混雑に陥ってしまったということです。

>産経新聞「「10万円給付」待ち時間6時間超、整理券配布、朝から長蛇の列… 役所大混乱」(2020年5月8日)

こちらのニュースによると、東京都品川区役所では6時間待ちという、「三密」どころではない事態になってしまいました。

毎年の確定申告をe-Taxでオンライン申告している方は、問題なくスムーズにオンライン申請できたのではないでしょうか。そのような方は、マイナンバーカードを読み込むICカードリーダーもすでに持っていることだと思います。
しかし、役に立つ機会が少ないか、全くなかった方の場合は、今回のように「いざ使おう」となった際には、ICカードリーダーを手に入れるか、スマホがリーダーとしての機能を持っているか確認し、専用のアプリをダウンロードするといった作業を行った挙句に「パスワード忘れ」や「証明書の期限切れ」などのトラブルで、申請できずに役所に行くことになったというのが実情ではないでしょうか。

マイナンバーカードのトラブルとは?
今回の申請に必要なマイナンバーカードについてのトラブルの多くは、「証明書の期限切れ」と「パスワード忘れ」の2種類です。
まず「証明書の期限切れ」についてです。
マイナンバーカードと、内蔵された各電子証明書には下記の表のように有効期限が設定されています。

マイナンバーカード等の有効期限

交付日の年齢 マイナンバーカード 署名用電子証明書 利用者証明用電子証明書
20歳以上 10回目の誕生日 5回目の誕生日 5回目の誕生日
20歳未満~15歳以上 5回目の誕生日 5回目の誕生日 5回目の誕生日
15歳未満 10回目の誕生日 5回目の誕生日 ×

マイナンバーカードの交付が開始された2016年1月から4月に交付を受けた人の場合、交付日から5回目の誕生日を迎えてしまっていると、「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2つが有効期限切れになってしまっているので、オンライン申請ができずに、自治体の役所で更新手続きをする必要があります。(さらにマイナンバーカードの交付時に20歳未満だった人の場合は、マイナンバーカード自体の有効期限も同時に切れています。)

次に「パスワード忘れ」ですが、マイナンバーカードの受け取り時には、下記の表のような4つのパスワード(暗証番号)を設定することになっています。

マイナンバーカードのパスワード

名称 桁数 ロックがかかる回数
1. 署名用電子証明書 6〜16桁(英大文字と数字の混在) 累積5回
2. 利用者証明用電子証明書 4桁(数字のみ) 累積3回
3. 住民基本台帳用 4桁(数字のみ) 累積3回
4. 券面事項入力補助用 4桁(数字のみ) 累積3回

※2〜4は共通の数字でもOK

今回の特別定額給付金申請には、上の表の黄色のところ「1. 署名用電子証明書」の暗証番号が必要になりますが、これを5回間違えて入力してしまうとロックがかかってしまいます。その結果、オンライン申請ができなくなり、役所にロック解除の手続きに行かないといけなくなります。

この2つのトラブルのうち、「証明書の期限切れ」に関しては、今回の申請開始がマイナンバーカードの発行開始から5年が経ち、たまたま期限が切れ始めるタイミングだったことが災いしているので、仕方がないとも言えるのですが、実際に役所に押しかけた多くの人は後者の「パスワード忘れ」です。
以下の記事にあるように、1日に13万件ものパスワード忘れによる再設定依頼が役所の窓口に殺到したのですから、役所の処理能力を完全に超えてしまっているようです。

>Yahoo!ニュース「暗証番号再設定で1日13万件 10万円給付で窓口殺到」(2020年5月18日)

マイナンバーカードのパスワードを忘れないために
上記表のマイナンバーカードのパスワードのうち、2〜4については4桁の数字でかまわないので、銀行のキャッシュカードの暗証番号と同じにしている人も多く、忘れることはあまりなかったのではないでしょうか。しかも2〜4については、個別の4桁数字でなく、共通の数字でもかまわない、というルールになっています。
(もちろんセキュリティ面からは別々の数字にするほうが望ましいのですが、覚えにくくなって忘れてしまうよりは良いでしょう)

しかし、今回の申請で使われた「1. 署名用電子証明書」のパスワードは、アルファベットと数字を混在させた6〜16桁で、しかもアルファベットは大文字だけ、という独特な条件があるために、日頃よく使っているパスワードを使い回すことも難しく、それでパスワード忘れの人が続出してしまったと推測できます。
(もちろんセキュリティ面からはパスワードを使い回すべきではないのは言うまでもありません)

しかも、大抵の人には使う機会がほとんどないパスワードなので、反復して思い出す機会もなく、忘れてしまっても無理はありません。
また、受け取り時に紙に書いておいても、その紙を紛失してしまうことなども起こるでしょう。
つまり、「普段は全く使わないけど大事なパスワード」というのは、管理が面倒なのです。

そこで登場するのが、「パスワード管理アプリ」です。

今回の特別定額給付金のオンライン申請におけるマイナンバーカードのトラブルがニュースで報じられたのを受け、「せぐなべ」では2020年5月12日から、Twitterを使って以下のアンケートを行い、約2700件の回答を得ることができました。

アンケート質問>特別定額給付金10万円💴用にマイナンバーカード作ろうとしたら、パスワードを2~4個も決めないといけない件みんな、パスワードどうやって作ってる?

回答
いつものパスワードを使う 50.5%
その場で作って紙やスマホにメモ 34.8%
パスワード管理アプリで自動作成 14.7%

この回答を見ると、半分近くの人が「いつものパスワードを使う」と答えていますが、「署名用電子証明書」のパスワードで要求される「英語大文字だけと数字をミックスさせた6〜16桁のパスワード」を普段から使っている人は、あまりいないのではないでしょうか。
アンケート回答時にはこのような独特な作成ルールがあることを知らず、いざ役所でパスワードを設定する時に、いきなり作成ルールを指定され、パスワードを咄嗟に決めることになりそうです。
その時に、そのパスワードをきちんと管理するようにしておけば大丈夫かもしれませんが、そうでなかれば、すぐに忘れてしまい、今回の役所に駆け込んだ人達のようになってしまうでしょう。

マイナンバーカードを取得するなら、パスワード管理アプリを使おう
前述のアンケートの回答では約15%と低い回答でしたが、マイナンバーカード用のパスワードをはじめとした様々なパスワードを管理するには、スマホのパスワード管理アプリを使うのが、ひとつの解決策です。
パスワード管理アプリを使えば、パスワード忘れの心配もありませんし、「いろんなパスワードを覚えられない」という不安から起こるパスワードの使い回しによるリスクを回避することもできます。アプリによっては、安全な桁数や文字種を指定した安全なパスワードを自動で生成してくれるものもあります。
インターネットをはじめとして様々な場面でパスワード認証が必要となる現代では、もはやスマホユーザーにとって必須のアプリと言っても過言ではありません。
パスワード管理アプリには様々なアプリが存在していますが、その中で最もオススメなのが、パスロジは提供する「PassClip」です。
このPassClipには、他のアプリとにはない独自の機能として、マイナンバーカード用パスワードを自動生成する機能があります。

マイナンバーカードを申請するならPassClipをインストールして行こう!
パスロジが自社開発した国産のアプリなので、マイナンバーカードのパスワード管理にも最適です。

>PassClip活用記事「マイナンバーカード用パスワードを自動設定」(新しいウインドウで開きます)


リンク先の記事にあるように、PassClipをスマホにインストールして、新しいパスワードを新規で追加する時に「パスクリップコード登録」をメニューから選びましょう。
そこで「mynumber」と入力すると、マイナンバーカードに必要な「券面次項入力補助用」「利用者証明用電子証明書」「住民基本台帳用」「署名用電子証明書」用の4つのパスワードが自動的に生成されるのです。
あとは役所でマイナンバーカードの受け取る時に、この4つのパスワードを指定するだけでいいのです。

マイナンバーカードを持っていない方は、特別定額給付金の申請を機会に交付申請をしrてみてはいかがでしょうか。
マイナンバーカードの制度やシステム、運用に課題があるのは確かです。しかし、今後の生活においてマイナンバーカードがあったほうが便利な状況が増えてくるかもしれません。

その際には、ぜひPassClipでパスワードを管理してみてください。また、お知り合いの方にも「すごい便利だよ!」と教えてあげてくださいね。v(^_^)v