手に入れました『世界ビール大百科』。オタクはまず知識から入りたがる。加藤です。パスロジ社は神保町にあるのですが、して、神保町とは古本の街。大学が数多く建っていたせいで、教科書の古買が発達し、大学関係者も研究書を注文し、今に至るという具合らしいですが。世界でも有数の古本街なのですな。

 余人にはただひたすらに古本屋が乱立するように見えるのですが。実際は細分化されておりまして。こちらは西洋美術史、あちらは数学書と専門があります。各店舗仕入れの後には競売がありまして、自分の店には合わないような本は互いに融通し合っておるのです。

 各書店にはお得意のお客さんがありまして、欲しがりそうな大学教授なんかにお電話をする。取りに来る。店売りの小売りは副業で、研究家相手の商売が本業であったりする店もあるのですが。その数ある古本屋の一つに料理の専門店がありまして。こちら『世界ビール大百科』も書棚にひょっと差し込まれておりました。

 『世界ビール大百科』。何がいいといって、ビールについて概観的に知ることができるのです。昨今はクラフトビールも流行っておりますが、幅広い知識を得られる書物は多くありません。

 「美味しいクラフトビールを飲める店の本」はありますし、「美味しい銘柄を紹介する本」もあります。翻って「ビールの作り方の本」もあるんですが、もう一歩の知識を教えてくれる本がないのです。

 例えば「オラホビールってなに?」「白と黒は分かったけどブラウンエールって?」「同じ黒でもスタウトとポーターってどう違うの?」といった疑問にぱっと答えてくれる本がないわけです。

 『世界ビール大百科』は1997年の刊行で、実に20年経っていまして。正直、紹介されてるビール事情や醸造所も古めなのですが。しかし、基本的な知識については普遍のものですし、何よりこれに代わる本がまだ出ていない。未だビール好きは持っていて差し支えない本の一冊なのです。

 定価5000円超えの本書ですが、うまいこと探せばお安く手に入る瞬間もあります。ビールが好きで、もう一歩知識が欲しい人がいましたら、ぜひともオススメの一冊です。ただし、飲みの席でうんちくを語る男は嫌われますので、ご注意を。