ども、加藤です。昼メシ旅。第3回は歩いて2分のそば屋満留賀であります。麺とネギ、またこの組み合わせです。ええ、好きなんです。ネギとそば。ネギはそばを食うために生まれてきたような薬味であり、そばはネギを味わうのに最適の食べ物です。しかも、夏。そばは夏ですよ。

満留賀の並ぶ裏路地は実に不思議な裏路地です。裏路地というからに、ビルとビルの隙間にひっそりとあって、たぶん、知らずに入ることはなさそうな場所です。まっくろくろすけ出てきそうなくらいの、実にこっそりとした小道です。

しかし、どうでしょう。一歩足を踏み入れるとそば屋の奥にはうなぎ屋、うなぎ屋の隣には寿司屋。居酒屋。何故かポルトガルの菓子だけを出す専門店もあります。めちゃくちゃ見つけづらい、客を呼ぶ気があるのかどうかも分からない小道に、意外なほどたくさんの飲食店がひしめいています。

満留賀に話を戻しますと、私がこの店を大好きな理由の一つに「なんでも餅を入れられる」システムがあるからなんです。いや、試しにお願いしてみたら入れてもらえただけなんですが、それから毎回、あらゆるものを「力」そばにしてきました。

正月のお雑煮をどう食うか。一緒に煮込んで、どろどろになった雑煮を好む人。あるいは一度焼いて、表面をぱりっとさせたものを好む人。中にはあんこの入った餅を入れる地域もあるようです。満留賀の「力」は揚げ餅です。ちょうどいい加減に揚げられた餅が入ってきます。

これが本当に「ちょうどいい」のです。餅が膨らんで飛び出て「柔らかくなった部分」もあるし、膨らんだ中身が抜けた「ぱりぱりだけの部分」もあり、また柔らかくなったが飛び出してはいない「ぱりぱりの内側にやわい部分が一体となった部分」もある。この3種がそれぞれちょっとずつある。このちょうどいい加減の餅なわけです。

また、力そばといえば、だいたいは温かいそばに加えるというイメージだと思います。かく言う私も最初は天ぷらそばに揚げ餅を入れてもらったものでした。これは当然に美味いわけですが、今回のように冷たいそばに揚げ餅だけ載せてもらうというオプションもある。これはこれで美味い。

暑い夏ですから、熱いそばは食いたくない。しかし、ざるそばをさっといただく合間、ちらっと揚がった餅を食う。しかも、そばつゆには油が染み出して独特の風味を加えてくれる寸法です。天ざると違って、どっしりとしたボリュームも出してくれます。じょじょに食いつないで、最後はそば湯と一緒にいただく戦法もあります。

普通に歩いていたらまず入らない、というか見つからない場所だと思いますが。力そばの食べたくなった人はぜひ一度足を運んでみてください。