やってきました、『クトゥルフ・ウォーズ』。加藤です。『クトゥルフ・ウォーズ』とは何か。「クトゥルフ」という神話を使って、ボードゲームのタイトルです。

そもそも「クトゥルフ」ってなに?

ありていに言うと、外人が作った人工神話です。地球には古代から潜む奇怪な神がいて、世界中にそれを崇める信徒がいる。彼らはひそかにいけにえを集め、世界の破滅を目論んでいる。

「クトゥルフ」が新しいと言われる部分が2つありまして。一点は西欧で幅を利かせるキリスト教はユダヤ教を元にしていて、対立してきたイスラム教もユダヤ教から来ているわけで。親戚関係なんですな。多神教の新しい神話というもの自体が外人には目新しい存在だったらしいです。

もう一つは神話に現代的な宇宙というものを組み込んでいること。創世神話には宇宙も大地もそもそもないわけですが。クトゥルフでは地球と宇宙というものが明確にあって、外なる宇宙から忍び寄る神様というものがいる。SF的で、現代的な宇宙観を持った神話体系です。

「クトゥルフ」とボードゲーム

ボードゲームにはやたら「クトゥルフ」が多いです。何故か。おそらくゲームバランスを考えなくていいからです。「クトゥルフ」にはSAN値という概念があります。不可思議な現象、醜悪なる邪神の片鱗に触れた人類は正気を失い、発狂するという設定です。相手は神様だから理不尽なことが起きても仕方がない。

この設定がボードゲームにははまるわけです。ちょっとしたことで発狂、うっかりするとゲームオーバー。多かれ少なかれゲームバランスが崩壊していても、クトゥルフだから。仕方ないよね、と許される風潮があるのです。

なんだよ、『クトゥルフ・ウォーズ』って?


長い回り道でしたが、じゃあ、『クトゥルフ・ウォーズ』はどんなゲームなのか。プレイヤーはお互いに別々の邪神を信仰する信者になります。一般人を信者に引き込んで信仰心を獲得し、魔物を召喚してよその信者を攻撃。最終的には邪神そのものを召喚して世界を破滅に導くことができたら勝利。そういう物騒なゲームです。

何故クトゥルフとボードゲームについて記載したかと言いますと。なんとこのゲーム。クトゥルフゲームなのに。破綻していないのです。多少強すぎる云々はあるのですが、基本的にはきちんとゲームバランスを設計した素晴らしいゲームです。

信者が増えるほど信仰心も増え、できることも増えていくわけですが。世界は狭いので信者の支配する土地は奪い合いです。よその信者を排除して自身の信者を住ませないとならないのですが。単純に殴って行けば済むわけでもありません。強敵には一致団結して挑まないと勝ち目もなくなってしまうからです。

このゲームの素晴らしいところはシステムのみならず、そのアートワークであり、内容物になります。ボードゲームをやらない方には分からないかもしれませんが。こんなに手の込んだフィギュアが山ほど入っています。

何故こんな豪華な作りにできるのかと言いますと、金です。ようするに、金ですよ。『クトゥルフ・ウォーズ』は国内で買おうとすると3万超え、海外から輸入しても2万前後ということで実に可愛くないお値段をしています。

ボードゲームの相場はだいたい3000円から5000円。もちろんもっと安いものも、もっと高いものもありますが、大半はこの3~5000円くらいです。ゆうに6倍もするわけですから、豪華にもできる。

普通のボードゲームだったらさすがに3万超えは許されません。誰も買ってくれないからです。僕も『クトゥルフ・ウォーズ』は面白いゲームだとは思いますが、さすがに3万の価値は見出せません。

でも、出せる。売れる。それはまさしく「クトゥルフ」というブランドイメージがあるからです。あの邪神を再現したフィギュアがつく。本格ボードゲームというイメージが3万という値段を許させるわけです。

最後に

なんだかんだいって、『クトゥルフ・ウォーズ』は面白いゲームです。基本に忠実ながら、邪神ごとの性格や性能も異なっていて、いささか崩れたバランスさえ「さすがクトゥルフ」「さすがはニャル様」と納得させてしまう力があります。

自分で買うのはなかなかにハードルが高いのですが。ボードゲームカフェなどあるところにはありますので。見かけた際は一度プレイしてみるのもいいかもしれません。

数々の邪神が立ち並ぶ光景。インスタ映えしますよ! たぶん!