今回は本業とも関係がある自転車の話を。

小径車というバイク

ママチャリやアシスト自転車などを除いたスポーツサイクル用の自転車の世界には、ロードバイクやマウンテンバイクなどのメジャーなものから、すごくマイナーなカテゴリーのものまで、様々なバイク(自転車)があります。
その中でそれなりのユーザー数を持つバイクのジャンルに「小径車」と言われる、ホイールサイズが14〜20インチと小さいサイズのバイクがあります。走行性能的には27インチ程度にホイールサイズが大きいほうが安定性を含めて優位なのですが、性能をスポイルしても小さいホイールサイズで作っているのは、バイクをコンパクトサイズにできるからで、さらに折りたたみできるようになっている「フォールディングバイク」と言われるものも多くあります。

フォールディングバイクは工具無しで簡単に折りたため、スーツケースの機内持ち込みサイズより一回り大きいくらいのサイズなるため、マイカー後部にも簡単に積め、また電車やバスタクシーなどにも専用のバッグに入れれば持ち運びできるので、交通機関を利用して郊外などに出かけ、そこでサイクリングを楽しみ、帰りはまた折りたたんで交通機関で帰る、というような「輪行」と言われるサイクリングスタイルを楽しむのもロードバイクなどよりも全然楽!

1分もかからずに折りたため、たたんでバッグに入れてしまえば荷物として飲食店などの店内に持ち込めるために、食事中やライド後の宴会(?)やカラオケ中でもバイクの盗難を気にしなくてもいい、というすごいメリットがあります。

そのため、普段はロードバイクやマウンテンバイクに乗っている自転車乗り達が、セカンドカーならぬ、4〜5台目くらいにこの小径車を所有している、というケースが多いのです。
そんな小径車の世界にも色々なメーカーがバイクを出しているのですが、その中で、ロードやマウンテンバイク乗り達の圧倒的な支持を得ている人気バイクがあります。それが今回取り上げるBrompton(ブロンプトン)と言われるイギリスのメーカーのバイクです。

折りたたみ自転車の最高傑作、ブロンプトン

折りたたみ式の小径車は普通の自転車屋で売っているような2〜3万円のものが一般的ですが、このブロンプトン、そういう自転車が10〜20台くらい買えてしまうくらい高い(スポーツサイクルユーザーにとってはあまり高いという感覚はない金額なのですが)バイクです。
折りたたみのギミックもすごくよく考えられていて秀逸。さらに3段内装ギヤや2段外装ギヤを組み合わせて最高で6段変速があり、ホイールサイズが小さいのできつい下り坂は苦手なものの、それ以外であれば山の方にツーリングに行ってもそこそこは走れるくらいの走行性能があります。(もちろん山ばっかりのエリアだとロードのように楽ではないですが・・)


さらにいろいろなカラーがあったり、バイクフロント部にバッグをつけれるようになっていたりして、カラフルでファッショナブル。サードパーティーなどからもアクセサリー類や交換パーツ類などが豊富にリリースされていることもあり、自分の好みでアレンジできるのも魅力で、知り合いの自転車乗り達がこぞって買ってもっているシロモノです。
みんな自分流にカスタマイズしたりドレスアップしたりして「愛車」の一台として、近場のポタリング(短距離のサイクリング)から輪行でのツーリングまでこのバイクで楽しんでいます。
そんなブロンプトンのユニークなイベントが毎年春に開催されていて、主催者がらみで誘われたので先日参加してきました。

Brompton World Championship Japan 2018

「ワールドチャンピオンシップ」というすごいネーミングのついているこのイベント。
本国イギリスで本大会が行われているイベントの日本地区版ですが、いろんな点でかなり変っていて、日本で数多く開催されているスポーツサイクルのイベントで、これほどユニークはものは他にはありません。

まず第一のポイントはブロンプトンという1ブランドの1車種だけのバイク(ハンドルタイプやギア設定などでバリエーションはあるものの基本は1車種しかありません。)に限定して、そのユーザーだけを対象にしていることです。1メーカーの1車種だけを参加対象とした数百人規模のライドイベントは他には全くありません。その点だけでもユニーク。

さらに第二のポイントは、小径車という、どちらかといえばお気楽に軽くサイクリングを楽しむ、という感じのバイクなのに、イベントは「サイクリング」イベントではなく「ちゃんとしたサーキットコースを使ったレース」であること。
この「羊と狼」的なミスマッチさもかなりユニーク。

そして第三のポイントは「ドレスコードがある」ということです。
スポーツサイクルのイベントでは「ヘルメットの着用」というのは多分全てのイベントでのルールになっていますが、それ以外はサイクルジャージとレーサーパンツ、という機能的な専用ウェアを着て参加するイベントが多いものの、それじゃなければいけない、という限定はなく、みんな思い思いのウエアで参加しています。

しかしこのイベントでは男性参加者は「襟付きのシャツにネクタイ、ジャケット」「下はレーパンではなくスラックスやショートパンツ」というドレスコードがあるのです。(女性はネクタイなしでもいいのでジャケットは着用)
本国イギリスで開催される本大会ももちろん同じドレスコードで、さすが紳士の国イギリスのブランドらしいこだわりというか、でもおよそレースには相応しくないというか、スポーツする格好ですらありません。
しかしそのドレスコードに沿った400人近い参加者、しかも全員ブロンプトンユーザーが日本全国から集まってくるのです。

ネクタイのない生活の長い私もやむなくこのイベントのためにジャケットやワイシャツを新調し、総勢15名の仲間たちと参加してきました。
こうやって並ぶと壮観ですね。(写真はクリックすると拡大写真を新しいウインドウで開きます) スポーツシーンに似つかわしくないジャケット姿。売れない芸人風の格好もあったりして、かなり変。(゚Д゚)
ベストドレッサー賞などの表彰もあるので、みんな「かなりこだわった、でも変な格好」をしたりしてます。

3/25(日)、 千葉県にある袖ヶ浦フォレストレースウェイに朝から続々と参加者が集まってきます。これだけブロンプトン乗りが揃うっていうのも珍しく、会場はカラフルなブロンプトン一色。
ちなみにこのBrompton、スタンドがついておらず、後輪部分を折りたたんだ状態にすると自立できるようになるためにこんな感じで並びます。

イベントの参加者の中には、駐日英国大使館スタッフもいたり、外人も多いし、女性参加者も多く、普通のサイクルイベントとは参加者の雰囲気もちょっと違います。
午前中は2時間でサーキットを何周できるかを競う「エンデューロ」というレース。

スーツやジャケットネクタイ姿でのレースはかなり奇妙な絵です。

そして午後は私も参加する、一周2.5kmのサーキットを5周走ってタイムを競うメインレース。
メインレースの男女優勝者は、本国イギリスで行われる同大会に招待されるということもあって、上位を狙う連中はかなり本気モード。
ちなみに私はこんな怪しい出で立ちで。ヤフオクで激安ゲットしたカモフラ柄のジャケットで、自分で見ても怪しすぎると思うくらい・・・(^_^;)。
こんな格好でバイクに乗るのは、長いバイク歴でももちろんはじめてです。


レースはル・マン方式のスタートで、センターに停めて折りたたんだ自分のバイクに、スタートの号令とともに駆け寄って組み立ててから走り出す方式。スタートラインを超えてから計測チップでタイムを計るので、そんなに慌てなくてもいいのですが、みんなは結構真剣に急いでスタートしていきます。
私は、というと、このところ全然乗れてないしまあ上位狙いでもないので、お気楽モードで5周走って無事終了。順位は言えるようなものではないですが・・・(^_^;)

その他に会場では「輪投げ」ならぬ「ホイール投げ」とか折りたたみのスピードを競う競技など、アトラクションを行われていてそれに参加したり、待機中はストーブ(暖房器具ではなくアウトドア用のガスコンロなど)でお湯をわかしてランチやコーヒーを楽しんだりとデイキャンプ状態。

暑いくらいの陽気の中、このユニークなブリティッシュイベントを体験をしてきました。

P.S.
文中「バイク」ってなんども書いてますが、「バイク」って言うと日本だと「オートバイ」のことを指すのが普通ですが、英語では「Bike」は自転車(Bicycle) のことを言います。(ちなみにオートバイは”Motorcycle”って言います。)