バスツアーで尾瀬に?

カミさんから「尾瀬に行かない?」と誘われた。
新聞折込チラシに入っていたバスツアーの告知を見て「これに行かない?」ということだった。

旅行会社のパンフ抜粋

尾瀬は若かりし頃に学校の旅行で山小屋に2泊で行って、燧ケ岳山頂に登ったりした、という記憶はあるのだが、数十年前(歳がバレるけど・・)のことなので細部までは覚えてない。ただ素晴らしい場所だったことはよく覚えているので、また行きたいという思いはずっと持っていた。
ただしバスツアーで、という発想は頭に全然なかったのだが・・・。

普段はどこに行くにもマイカーで、私はこういうバスツアーに参加したことがない。車のほうが自由だし、旅行とかは自分でいろいろ調べてプランニングや手配をしているので、そういうおまかせツアーには興味がない、というのがその理由。

なのでカミさんからバスツアーのオファーが来ても、普段ならまず断って自力で行くことを計画するのだが、今回は少し考えた。
その理由は4つある。

1番目は行き先がオンシーズンの尾瀬だということ。尾瀬は自然保護などの観点から時期的にマイカー規制をしているところであり、マイカーで現地(尾瀬の入口となる鳩待峠)まで行けずに、途中の戸倉からはバスに乗り換えないと行けない、という点だ。
つまりマイカーで現地まで行けないし、結局はバスに乗らなければいけないなら、最初からバスでも同じようなものではないか、ということだ。

2番目は日帰りだということ。尾瀬までの往復距離と所要時間、そして鳩待峠から尾瀬ヶ原までの往復の歩き時間を考えると、日帰りだと他に寄り道(たとえば金精峠を超えて日光方面とか、逆に西に行って水上温泉方面とか)ができる時間的な猶予がないので、単に現地往復するだけならマイカーの自由度は活かせない、ということだ。

3番目は出発地が家から近いこと。バスツアーなどの場合は集合場所まで行くのが面倒だったりするのだが、今回の出発地は家から1.5kmくらいの十分徒歩圏の調布駅そばなので、面倒さがないという点だ。

4番目は人数が2人だということ。マイカーの最大のメリットは4〜5人乗車で行けば往復の交通費が割安になる、というメリットがあるが、今回はカミさんと2人なので、あまりメリットが大きくないのだ。(ちょっとコストを調べてみたのが次の項)

マイカーVSバスツアー コスト比較

ということで、二人での尾瀬までの交通費を調べてみたところ次のようになった。

<バスツアーの場合>
バスツアー代 9,480円×2=18,960円
お弁当代   ー500円×2=ー1,000円(ツアーに含まれるお弁当代分をマイナス)
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交通費          17,960円(ひとり8,980円)

<マイカーの場合>
関越通行料  大泉〜沼田(ETC料金) 2,830×2=5,660円
戸倉〜鳩待峠シャトルバス(片道980円) 980×4=3,920円
戸倉駐車場代                   1,000円
ガソリン代(片道176km)ガソリン20L 144×40L=5,760円
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交通費           16,340円(ひとり8,170円)

バスツアーのほうがひとり800円位高いだけで、2人の場合だとマイカーの経済面でのメリットはさほどない。
だったら、自分で運転しなくていいバスツアーもありだろう、ということで初のバスツアーを申し込むことに決定。

バスツアーレポート
6月2日土曜日、朝7時前に調布集合でバスに乗車。20人乗りのミニバス2台ということでかなりの人気。
バスは府中でも参加者を少しだけ拾い、国立府中からなんと中央高速を八王子方面へ。
八王子インターで降りてあきるのICまで一般道を走り、圏央道で鶴ヶ島経由関越というルート。このルートなら帰りの関越渋滞もある程度回避できるし、なるほど、というルート選択。
うちからの場合は環八谷原経由か、三鷹大泉学園経由で、いづれにしても関越練馬インター起点という考えしかないのだが、府中に立ち寄りということだと、今回のルート、十分にアリかも・・・。
府中を7時半にでて約4時間弱、11時半前に尾瀬の入り口の鳩待峠に到着。

途中、戸倉のところでマイカー規制があり、マイカーの場合はここに駐車してシャトルバスに乗り換えて鳩待峠までの往復をしなければならない。しかしツアーは20人乗りのミニバスなので、大型バスの通行できない鳩待峠までの狭い道も乗り換えなしでいけるのがGood!これがこのツアーの最大のメリットと言えるだろう。

バスの中でマップが配られ、尾瀬についての紹介やマナー&ルールの説明、ツアーのスケジュールなど添乗員さんから説明がある。現地で一番気になるトイレや飲料・食料などの売店などの情報もあって親切。続いてお弁当が配られ、ちゃんと食べたあとのゴミは全て持ち帰るようにとのこと。全てのゴミは持ち帰ることが尾瀬のルール。

鳩待峠休憩所(トイレもあるしビール自販機も。ロング缶430円と高いがやむなし!)

鳩待峠で参加者はバスを降り、ここからは完全に自由行動となり、4時間後の15時半にバスに再集合ということで解散。
鳩待峠までは車で登っているので、峠から尾瀬ヶ原までは下っていく。(ということは帰りは登り・・・。゚(゚´ω`゚)゚。)

鳩待峠から尾瀬沼までのくだり。石の階段、木道、木の階段など路面が変化していくが基本はずっとくだり基調

尾瀬の絶好のシーズンということで、観光客(ハイカー)でいっぱい! 歩くのが遅い人もいて、時折木道は渋滞に近い状況になり、ブナ林の中の木道を1時間かかって3.3km歩き、尾瀬ヶ原の入口、山ノ鼻に到着。ちょうどランチタイムで、いたるところで座ってお弁当を食べているハイカー達がいて、かなりの混雑。トイレにも行列ができている。

ビジターセンターやカフェ、ロッジなど数軒ある山ノ鼻。ベンチなどいたるところでお弁当を食べるハイカーがいっぱい

ここでランチにもらったお弁当を食べて、早々に尾瀬ヶ原の中心方面に向かって出発。
4時間しかない、ということは帰りの山ノ鼻から鳩待峠まで1時間半近くかかることを考えると、ランチ後に尾瀬ヶ原を歩いて楽しめるのは1時間ちょっとしかない。とりあえず尾瀬ヶ原を東に進み、2.2km先の牛首という分岐点までを往復することに。

燧ケ岳を前方に見ながら、湿原の中の木道を東へ進む


木道はキープ・ライトだが、前に遅い人がいると反対側の人が途絶えるタイミングで左側に出て、追い越しをかけていく。
写真を撮ったりするために立ち止まる場合も後ろから歩いている人の邪魔にならないよう、空いている反対側に移って撮影したり、木道の途中に何箇所かある休憩ベンチのあるポイントで撮影したりというのがマナー。

天気は暑すぎず寒すぎず、風が心地よく涼しくて爽快な絶好の晴天。水芭蕉もそれなりに咲いている尾瀬の湿原の景色は、白樺などの木々も爽やかで心洗われる風景。

尾瀬の素晴らしい景観が広がる

水芭蕉も多くはないがそこそこ咲いてる

途中写真を撮ったりしながら、また木道が混んでいたりもしてなかなかペースがあがらないが、なんとか目的地の牛首まで到着

目的地の牛首分岐点で折り返し。前方は燧ケ岳

ちょっと休んですぐに折り返して山ノ鼻まで来た道を戻る。コースは単調だが、景色がいいので飽きない。

山ノ鼻への復路は残雪の至仏山を前方に見ながら

山ノ鼻に2時すぎに戻り、名物の花豆ソフトクリームをいただいてから、鳩待峠までの登り返し。

山ノ鼻から鳩待峠まではそれなりの登り!

遅い人をかわしながら頑張って登り、予定の15分前に無事に鳩待峠に到着。
もちろん、歩き終わったあとは、ビールロング缶!うまい!うますぎる!!
いつもだと、帰りの運転があるのでビールは我慢なのだが、せっかくのバスツアー!運転しないくていいんだから、ここはビールでしょう!!
あまりのビールの美味さに「バスツアーにしてよかった!!」としみじみ思いました

鳩待峠ではちょうど帰りのラッシュ時間帯なんだろうけど、戸倉までのシャトルバスを待つ長蛇の行列が100人くらいできていたので、待たなくていいバスツアーは大正解。座席間がやや窮屈なことはあったが、途中の関越渋滞でも自分が運転する立場ではないのでイライラすることもない。
いつもはドライバーなので眠い目をこすって運転して帰らなければいけない自分にとっては、心地よい疲れでうとうと寝れるのはまさに極楽状態!ビールも入っているので、半ば気絶(?)状態で20時頃に調布に戻ってこれました。
ヨカヨカ (´∀`*)

それぞれのメリット&デメリット比較

<マイカーのメリット>
★★★いつでも自由に行ける。(時間を早くでたり、天候に応じて行くことを直前で決めれる)
★家から出かけれる。
★尾瀬戸倉までの所要時間が短い
★自由なスケジュールで組める(1泊どこかで宿泊したり寄り道などもできる)
<マイカーのデメリット>
★尾瀬戸倉でシャトルバスに乗り換えないといけないので、バス待ちの時間がかかる。
★特に帰りは鳩待峠でバス待ちの行列ができる
★★往復とも自分で運転しないといけない。→帰りにビールを飲めない
★渋滞にイライラさせられる。
<メリットともデメリットとも言える>
★現地アクセスに関して色々と自分で調べないといけない。

<バスのメリット>
★★★往復運転しないでいい。往復寝て行けるし、帰りにビールを飲みながら帰れる
★渋滞にイライラしなくていい
★尾瀬戸倉でのシャトルバス乗り換えなどがない
<バスのデメリット>
★★あらかじめ日程を決めて予約しないといけないので、雨天でも行かないと無駄になる。直前で予定を変更できない
★時間が決められているので自由度はない
★参加申込者が最低催行人数に満たないとツアーが中止になってしまう
★座席がそんなに広くない
<メリットともデメリットとも言える>
★現地アクセスに関して色々と自分で調べないなくてもいい。

こう考えるとマイカー、バスツアーそれぞれ一長一短がありますが、何と言っても「歩き終わったあとに鳩待峠でビールをグビグビ飲めて、寝ながら帰れる」というのは何にも代え難いメリットで、「天候に恵まれれば」という条件付きですが、今回のような「マイカー規制のある場所に」「日帰り」で行くのならバスツアーもいいんじゃないか!と思えました。
あと旅行などに行くときに自分でいろいろネットで情報集めしてプランニングをするのが楽しい人はマイカーで行くほうがいいかもしれませんが、そういうのは苦手、という人もまるごと安心なバスツアーがおすすめかもしれません。
自分はその手の手配は自分で全部やらないと気が済まないタイプなので、今回の尾瀬のようにマイカー規制があるところ、でなければ多分バスツアーにしなかったと思います。
逆にカミさんはバスツアー派ですね。基本ツアープランニングや手配とかは私任せで、リクエストだけたっぷり出して自分は何もしないので・・(^_^;)

 

<おまけですが>
ちなみに今回の尾瀬ハイキング、歩いた距離は11kmくらいなので、たいしたことはないのですが、鳩待峠〜尾瀬間のそれなりのアップダウンもあるので、ちゃんとしたウォーキングシューズがおススメ。(スニーカーとかでも大丈夫ですが)

最強のウォーキングサンダル KEEN Newport H2

今回はKEENのフラッグシップ製品とも言えるニューポートシリーズのH2(水辺対応タイプ)。「つま先をカバーしたハイキングサンダル」というコンセプトで、サンダルでありながらも上部のホールドもかっちり、ソールもしっかりしている「50km歩けるサンダル」です。写真のようにソックスで履いてもいいし、裸足で履いてもいい、暖かい季節にぴったりのおすすめロングウォーキング対応シューズと言えます。